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文化的消費活動の日記

『季刊25時』 vol.7 「特集: ぼくたちの大好きな伊丹十三。」

季刊25時 Vol.7 (ぼくたちの大好きな伊丹十三))

季刊25時 Vol.7 (ぼくたちの大好きな伊丹十三))

 

こないだイベントで立ち寄った本屋でたまたま見つけた雑誌『季刊25時』。「今日でもなく、明日でもない25時。一日が終わって、大好きな店でお酒とともに楽しみたくなるような雑誌」というコンセプトで、バーのカウンターを中心に取り扱っている小さな雑誌らしい。

第7号が、大好きな伊丹十三の特集だったので買ってみたんだけれども、素晴らしい内容で。伊丹十三の著作は、手に入るものは大部分読んでいるのだけれども、そのカッコ良さを思い出させてくれるし、名著(というか伊丹十三が超本格フランス料理を作りながら、さまざまな文化人と対談を繰り広げる奇書)『フランス料理を私と』の舞台裏が明かされたりする。

ぼくはね、伊丹さんこそ、ぼくたちのおじさんなんだと思っています。お父さんでは絶対にありませんね。いろいろな気づきを教えてくれるおじさん。いろいろな刺激をあたえてくれるおじさん。あたらしい世界の扉をあけてくれるおじさん。恰好いいおじさん。学校の勉強は教えてくれないけれど、人生の勉強はたっぷり教えてくれるおじさん。

こんな言葉がのっている。うなずくしかないし、そういえばドラマ『北の国から』に出演する伊丹十三もまさしくそういうキャラクターとして登場していた。伊丹十三が酒について綴った文章の引用から構成された「伊丹十三の呑み方。」という記事では、自分の酒の飲み方のなかにどれだけ伊丹十三からパクったものがあるのかを思い知らされたりする。なんというか、スタイルの巨人だ。改めて彼の著作を読み返したくなる。