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文化的消費活動の日記

白洲次郎 『プリンシプルのない日本』

 

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)

 

なにをした人かよく知らないけれど、白洲次郎の「都心からちょっと離れた田舎で農業しながら道楽する、みたいな」ライフスタイルって良いよね、とは思っていて彼の邸宅であった武相荘にも足を運んだことがある。なかなか素晴らしい空間で、茅葺屋根の昔のお百姓さんの家のなかにガチな洋間があったりして、あの和洋折衷は『& Premium』的なものを先取りしているよな、と感心した。

で、一体どういう人だったのか、と思って本書を手にしたのだが、わたしのような「白洲次郎ってなんかカッコ良いじゃん」っていう関心の持ち主からすると、正直全然面白くなかった。1950年ごろの『文藝春秋』に寄稿した文章が収録されているのだが、当時の世の中についてとにかくブーブー言ってる、という感じであって、どうにも読みどころが。本人が政治とか経済っていうのは民草のために上手いことやらなきゃいけないんだよ、という思想の持ち主だ、ということはわかるのだが、これだけ読まされると……。