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文化的消費活動の日記

辻山良雄 『本屋、はじめました: 新刊書店Title開業の記録』

 

本屋、はじめました: 新刊書店Title開業の記録

本屋、はじめました: 新刊書店Title開業の記録

 

ここ半年ほど片道2時間ほどかけて通勤する日々が続いている。18時に現場を出たら家につくのは20時。息子はそろそろ風呂にはいる時間である。

一時的な現場、とはいえ、そういうのにいい加減うんざりして、いつまで俺はこんな通勤生活を続けるのか、という気持ちになり、そうだ、店でもやるしかない、これだけ本が好きなんだから、本屋でもやるか、ちょうどこないだ住んでる町からほとんど書店が消滅しちゃったし、この町にカルチャーを取り戻すんだ、やるぞ、俺はみたいな衝動で買い込んだ本。荻窪にある新刊書店Titleの店主がサラリーマン時代から開業までを振り返っている。

本屋ってどういうビジネスなの、っていうところがわかって参考になったし、大変そうだな、サラリーマンのほうが気楽で良いかもな、といきなり気持ちが折れそうな本でもある。このTitleという書店には行ったことがないし、中央線沿線の生活圏にもほとんど足を踏み入れることがないからこれからもいくことはなさそう。だけれども、近所にこういう本屋があったら良いのにな、と思う。

自分にとって、本屋って、そういう感覚なんだよな、わざわざ行く感じじゃなくて。すでに欲しいものがわかってたら、Amazonで買っちゃうし。本屋という存在のあり方についても考えさせられる。マイルドな筆致で書いてあるのだが「松浦弥太郎とか高山みなみとか置いといたらセレクトショップ感がとりあえず整っちゃってそういうのってヤダ」とインスタントなセレクトショップ感を軽くdisってるところとか面白い。