sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

2021年9月13日、あるいは日本ワインの浅さ

6時に起きる。まだ胃が重い感じ。筋トレ、背中、腹筋。朝食時、前に直したまた茶碗が欠けていた。ちょうど補修をした部分。そこだけ直すのもなぁ、と思って捨てる。食後に「仮面ライダーアマゾン」を観る。立花藤兵衛が出てくる(こんなに毎回出てくるとは知らなかった)。さらにアクシデントで裸になった藤兵衛の肉体がめちゃくちゃ引き締まっていることに驚く。

新しい茶碗を注文。同じもの。

昨日の「Barakan Beat」で流れていた。実はジョニ・ミッチェルってそこまでちゃんと聴いていないミュージシャンであるのだが、歌だけじゃなくて、作曲能力もすごすぎるな、と感嘆。

tdさんのブログで知ったUKの女性ラッパーを先週末からよく聴いている。tdさんが指摘しているように最新作はカニエの大名盤『Late Registration』を彷彿とさせるゴージャス、かつヴォリュームに優れたアルバムだが、その前のアルバムのスマート、かつスムースなファンク色の濃いサウンドもまた「今のロンドン」っぽくて好き。

昼食前に自転車。19.5km。

土曜日に出会った新潟のワイナリーのサイトを見ていたら、蔵元が直でワインクラブを運営していることに気づく。面白そうなので入ってみることにする。

domainechaud.net

sekibang.hatenadiary.com

読了。面白かった。深さから浅さへの今っぽさ。これは自分の創作を支える理論にもなりそう。

次。

 
 
 
 
 
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仕事を切り上げて赤ワインを開ける。ヨーロッパ、ニューワールドの深さに対して、日本的な浅さ、ということも考えられるのだろう(浅い = 悪い、ということではまったくない)。表層での戯れとしての日本ワイン。今っぽい。縦方向、垂直に掘られ、あるいは上昇するのではなく、横方向、水平に移動する、ダンスする旨み。歴史の正統的なものを引き継ぐことではなく、私生児的なワインを作り出すこと。まさに日本各地に撒き散らされる種!

食後にすだち泡盛ソーダ

ストレッチ。風呂。

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読了。

次。

「メロ夜」。ゲストの松下洸平さんが韓国R&Bや日本のR&Bについても紹介していたのが印象的。松尾潔さんがSIRUPについて言及していたのは初めて聞いた気がする。

ロレイン・ダストン ピーター・ギャリソン 『客観性』

この本については、MLだけ参加させてもらっている駒場の某研究会で読書会が開かれていて、その際、原著を買い込んだのだが、肝心の読書会も一回行ったかな……?(そもそも途中参加だったかもしれない)ぐらいで、結局原著をちゃんと読む機会は一度もなかった。

Tweetを確認したら5年ぐらい放っておいたことになる。あまりに素っ気ないタイトルすぎて(というか、原題を素直に訳しただけ)一体何の本かわからないであろうが、科学史/科学哲学の名著の邦訳である。

客観性。科学だけでなく、なにかを判断する際には当たり前のようにそれが求められ、ポジティヴ評価されるもののひとつとなっているその観念。それは、なんとなく17世紀の科学革命の時代に爆誕したようなイメージ、さらには科学革命以前は、みんな妄想じみた主観で世界を見ていた! みたいなイメージを持たれているけども、科学者たちが「やっぱ、客観性って必要だよね」って言い出したのは、割合最近のことで、19世紀の初頭だったんだよね〜、というのが本書。

その客観性の社会的確立の歴史を、科学の現場で生産されるアトラス(科学的図像をまとめた本)の変遷に見ていく。これが大変おもしろい。客観性以前のアトラスでは「本性への忠誠」という価値観が優勢であって、その時代の図像は、描かれた対象物をそのまんま描くのではなく、対象物の「個性」を排除して代表的なもの、理想的なもの、哲学の言葉を使うなら、イデアに近いものに寄せて描かれていた。つまり、そこには学者の主観が入り込み、図像製作者との共同作業のなかで、こねくり回されてでてきたものだった。卑俗なたとえを用いるならば、要するに、写真をアプリで加工して見せたいものにしちゃう、みたいなことだろう。

そう、写真。写真というテクノロジーがでてきたこともあって、主観性の混入を避けながら個物をそのまま描写することが可能になっていく(もっとも本書が指摘しているように、写真の誕生とともに、すなわち客観性が確立されたわけではない。写真だって修正できるし、初期の写真では出版・複製の際に図版化を避けられなかった)。しかし、個物をそのまんま描くことによって、今度は「じゃあ、なんで、それなの」という代表性の問題もでてくるし、図像を使ってなにを伝えるのか、という図像製作から図像をどのように使っていくのか、みたいな話になっていく。客観性以前の図像が学者と職人の共同作業で練り上げられていったものだったのが、どんどん社会的な構築物として広まっていくその過程が歴史として編まれていくよう。

まぁまぁ難しい本だとは思うのだが、大変勉強になったし、第4章「科学的自己」はたまたま同時に読んでいた『創造と狂気の歴史』ともリンクして読めた。

同じ版元から出ているダストン&パークの名著『驚異と自然の秩序』についても邦訳待ってます!

sekibang.blogspot.com

松本卓也 『創造と狂気の歴史: プラトンからドゥルーズまで』

近年のイケてるビジネス・シーンにおいて新たなアイデアを創出するのにはある種のクレイジーさが必要である……などと語られているらしい。そこでのクレイジーであることは、文字通りに「狂っている」、「狂気に侵されている」という病の状態ではなく、その一歩手前ぐらい、なんとか社会的な生活もOKな、言ってしまえば、会社や集団のなかでギリギリ飼いならされるぐらいにはちょうどいいクレイジー具合、それが生産的なクレイジー具合であって、ガチで狂ってたら会社では使えないし、それはクリエイティヴじゃないんだ、ってことらしい。

まことに資本主義的狂気、って感じだが、本書の問いかけは「現代の狂気は、マジな狂気は使えないことになってるけど、哲学の世界だとマジな狂気こそ、マジでクリエイティヴってことになってたんだよ」ってところから始まっている。狂気と創造の関係性をめぐる哲学史

副題にある通り、プラトンからドゥルーズまでを通史的に辿られ「狂気 に侵された人間こそが、一般人にはアクセスできない深淵を見ちゃってるんだよ」とするような統合失調症中心主義が批判的に検討される。プラトンアリストテレスアウグスティヌス → (ちょっと飛んで)フィチーノまで行くまでの人選は、ちょっとヴァールブルク学派っぽく面白く読んだし、精神分析や現代医学の言葉を用いながら近代以降のとくにドイツ観念論の人たちの自我や理性、狂気に関する記述を読み解く手付きは大変勉強になりまくった。ずっと、わかりやすい。終盤のデリダとかドゥルーズとか、個人的にぜんぜんよくわかってない人たちの取り扱いも「そうなんだ! だから、デリダとかドゥルーズってナウいんだ!」みたいな腹落ちもする。

2021年9月12日、あるいはエルビスサンド

7時前に起きる。朝食にエルビスサンドを作ってみる。

f:id:Geheimagent:20210912074851j:image

糖分で目が覚める。もっとベーコンをたくさん焼けば良かった。

筋トレ、胸、上腕二頭筋

またフリマアプリのクーポンが届いてたのでパタゴニアのバギーズショーツを買い足す。4枚目。

外出。世田谷文学館安西水丸展。昼食はシズラー。ムキムキなトレイニー男性多し。自分の細さを思い知る。朝、昼と高カロリーなものを立て続けに腹に入れた。

帰宅。Hが「仮面ライダーアマゾン」を見出していた。なんか怪奇的な演出がすごくて驚く。アマゾンと心を通わす少年がとても可愛い(H曰く、アマゾンに日本語を教えてあげるらしい。あとで調べたら『風の谷のナウシカ』のアスベルや『もののけ姫』のアシタカの声もやってたらとわかり驚愕)。アマゾンなのに変身アイテムのギギの腕輪は「古代インカの秘密」らしい(アマゾン = ブラジルのイメージだが……)。しかし、アマゾンが自分がなぜ変身できるのかとかを知らない、という設定もすさまじい。それまでのライダーは自分が何者か、敵が何かをちゃんと知っているのに、アマゾンはなにも分からず、文明社会に投げ込まれているのだ。

ずーっと放置していた「古畑任三郎」の録画にも手をつける。明石家さんま回。

夕方、スケボーを持って自転車の付き添い。オーリーはやや退化してる感じ。

帰宅後、風呂。Hが「仮面ライダーバイス」の2話目を観ていた。リバイスドライバー(変身ベルト)に「50(周年)」の意匠が施されていることに気づく。

糖質ゼロビール。

夕食とともに昨日の白ワイン。昨日よりも酸が落ち着いてより複雑味を感じる。「Barakan Beat」を聴きながら。昼に食べすぎたので夕飯は軽く。

 
 
 
 
 
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早めに寝た。

2021年9月11日、あるいはナチュラルワイン

7時過ぎに起きる。「ウィークエンドサンシャイン」。朝食後、上履きを洗い、筋トレ、腹筋。

なんとなく髪を伸ばし気味にしているのだが、前髪が鼻の下ぐらいまでいってしまって、さすがにセットしておかないと鬱陶しくなってきた。ので、とくに出かける用もないのに髪に整髪料をつけた。

掃除。

買い物へ。日本のナチュラルワインを3本買う。

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新潟の白、オレンジと、岡山の赤を。ついでにグラスで新潟のシャルドネを飲む。めちゃくちゃうまい。

f:id:Geheimagent:20210911140639j:image

アイスも食べた。エスプレッソの。

昼寝。最近しっかり寝てると思うのだが眠い。

Hに「リバイスのベルト作って」とせがまれて起きる。

 
 
 
 
 
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1時間ぐらいかけて作る。

 
 
 
 
 
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買ってきた白ワインも開ける。

食後にすだち泡盛ソーダ。住んでる団地内で取れたすだちを使う。

ストレッチ。風呂。

Hが寝た後、バルザックを読む。バルザックを経由することでプルーストもより立体的にわかってくる感じ。順番的には逆だが。

2021年9月10日、あるいはレコデイ

6時前に起きる。頭痛がある。昨晩は夜になってやや微熱があったのだが、起きると平熱。筋トレ、肩、上腕三頭身。15Rep。ダイアモンドプッシュアップだけキツくて10Rep。もう筋トレを日常的にやりはじめて丸3年ぐらいになるがいまだに腕立て伏せのレベルが上がってる感じがしない。

朝食後、Hが「仮面ライダーV3」を観ていた。テレビバエが出てくる。テレビバエ……。病院の待合室でタバコを吸う、というめちゃくちゃに時代を感じるシーンがある。さらにイカファイアーが出てくる。イカファイアー……。すごい名前すぎるがV3を窮地に追い込んでてすごい。左腕からコブラみたいに火炎放射器がでてきていた。

幼稚園へ。

A Beautiful Revolution

A Beautiful Revolution

Amazon

『A Beautiful Revolution』パート2。1枚目はそこまで聴いてなかったのだが、今回は「どアフリカン」な色と、落ち着いたソウル色のバランスが良くかなり好み。このアフロビート……どう考えてもフェラ・クティだと思ったらセウン・クティが参加してたり。1枚目も聴き直してみたら、めちゃくちゃ良かった。やっぱPJが参加してる曲のメロウな感じが良い。1・2あわせてアナログを注文。

昼食前に自転車。25km。

REFUGE

REFUGE

Amazon

デヴェンドラ・バンハートの新譜はアンビエント。良い時のブライアン・イーノみたいでかなり良い。これもフィジカルで欲しいな、と思ったので注文。

竹内まりやの「プラスティック・ラブ」をカヴァーしてた頃とは、なんか全然芸風が変わってしまったが、日本人ミュージシャンらしからぬ猛烈なサブベースが鳴っていて驚愕。アブストラクトなR&B、というか、もはやドゥームメタルみたいな感じさえある。これはこれで好き。

幼稚園へ。買い物をして帰る。

糖質ゼロビール。泡盛ソーダ

ストレッチ。風呂。

寝かしつけでそのまま寝てしまう。

 

2021年9月9日、あるいはZ

6時前に起きる。筋トレ、背中、腹筋。15Rep。

食後「仮面ライダー」。冒頭から毒ガスを吹き出す怪人が出てくるのだが、自らの毒ガスで数日しか生きられないという悲しい設定だった。その毒ガスに耐えられる強靭な肉体の持ち主が新たに選ばれる。

あんまり期待せずに聴きはじめたが(そんなに得意じゃないミュージシャンである)さすがのクオリティで驚く。

粛々と仕事。ブレイクしたい。

雨なので傘をさして散歩兼買い物。ラーメン、チャーハンセットを食べる。

面白そうな本を知ったので予約。

ビールを冷やし忘れてたので初手からすだち泡盛ソーダ。夕飯はカツオを出していただく。バーナーで刺身を軽く炙って。美味。

食後に「ウルトラマントリガー」の録画を観る。ウルトラマンZが出てくる。ザワついたテンションが完全に「Z」のそれでめちゃ良かった。ナツカワハルキ、良いなぁ。

ストレッチ。風呂。

昨日早めに寝たのに、夜猛烈に眠くて読書もあまり進まず。気絶しまくっていたので切り上げて寝た。