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文化的消費活動の日記

木下古栗 『グローバライズ』

 

グローバライズ

グローバライズ

 

 ちょっと前から友達がしきりにTwitterで「すごい」と言及していた作家。こないだ新刊がでていたけれども近所の本屋で売ってなかったので旧作を手に取る。たしかに、これは……すごい……。久しぶりに本を読みながら息をつけないほど爆笑する経験を持った。ちょうど中原昌也をはじめて読んだときの衝撃を反復するようだったのだが、中原の作品が最初からキレまくっている、最初からどうでも良いのに対して、木下古栗の作品は、やたらと丁寧な情景描写や人物の設定がさもマトモな印象を与えるのに、いきなりハチャメチャな断絶を味あわせてくれる。シラフだったのがだんだんおかしくなる感じじゃなくて、ゼロかイチかの感覚でマトモな世界とおかしな世界を行き来する、というか。