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文化的消費活動の日記

山田俊弘 『ジオコスモスの変容: デカルトからライプニッツまでの地球論』

読了。すでに本書の紹介はおこなっており、改めて文章を書く予定もあるので、手短にここでは触れておく。17世紀の知識人による地球の捉え方をデンマーク人学者、ニコラウス・ステノを媒介として紐解いた本。超メジャー級のところでは、デカルトスピノザライプニッツといった人物に焦点があてられ、好事家向けにはアタナシウス・キルヒャーのページもある。超メジャー級の人物を扱った部分は、まさに哲学史の「地下世界」を掘るような仕事だと思うし、アリストテレスに代表される古代からの伝統や知見とコペルニクスやティコ・ブラーエによってもたらされる新説が混交したコスモロジーがどのような変化を遂げたのか(その変化のきっかけには、新大陸からもたらされた新しい発見や、イエズス会宣教師たちのネットワークによって報告される知見がある。つまりはグローバリズムの萌芽が認められる)は大変魅力的だった。

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