- 作者: ディオゲネス・ラエルティオス,加来彰俊
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1984/10/16
- メディア: 文庫
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- 作者: ディオゲネスラエルティオス,Diogenis Laertii,加来彰俊
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/07/18
- メディア: 文庫
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ギリシアの哲学者の生涯や学説をあれこれ紹介した本。退屈な教科書めいた記述がダラダラと続くのではなく、かなり雑多な内容が含まれているのが魅力。たとえばエピメニデスを紹介した章では「羊を探しに野原にでたら、途中で57年間も眠り込んでしまい、起きたら自分の土地が一切合切なくなってて、老人になった弟だけが自分を覚えていた」みたいな浦島太郎めいたファンタジーが披露される。
その雑多具合の最もたるものが犬儒学派のディオゲネスの章だろう。「タダ酒ほどうまい酒はない」など大変に共感できる言葉もあれば、公衆の面前でオナニーにふけりながら「お腹もこんな風にこすりさえすれば満たされるといいのに」と言っていた、など奇人変人エピソードが満載。
これだけいろんな人を紹介し、長いこと読み継がれてきたのに著者のディオゲネス・ラエルティオスについては、生没年はおろか名前さえもはっきりしていない(どうやら2世紀後半に活躍した、ということになっているらしい)というのが、また味わい深いな、と。