12月は個人的にあたりの月だったかも。なかでもTendreのファーストEPはよく聴いた。Yogee New Wavesなどのレコーディングに参加しているミュージシャンのソロ。Thundercatのカヴァを収録している点から、勘が良い人なら想像がつくであろう、テラス・マーティンとか、テイラー・マクファーリンらを彷彿とさせるメロウ、かつ、洒落乙、かつグルーヴィなポップス。
そして民謡クルセイダーズ。ライ・クーダーも注目しているという日本民謡とラテン・ミュージックのフュージョン。これは最高でしたね……。民謡とラテンという組み合わせといえば、東京キューバンボーイズがほとんど同じコンセプトでアルバムを製作しているのだけれども、民謡クルセイダーズは単なる「企画モノ」、「イロモノ」に終わらない「血肉となってる」感がすごい。選曲もいいしね。春歌みたいな色っぽいことが歌われててさ。これは日本のブルーズだよ、と思ったりもした。
![In TRANSIT [Deluxe Edition] In TRANSIT [Deluxe Edition]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41y%2BBru2YnL._SL160_.jpg)
- アーティスト: Ovall,Shingo Suzuki,mabanua,関口シンゴ
- 出版社/メーカー: origami PRODUCTIONS
- 発売日: 2017/12/13
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
Ovallの新譜も良かったなぁ。寡聞して旧作は知らなかったんだけれども、大変心地よく。日本のこの手のインストバンド特有の「抜けきれなさ」は感じなくもないのだけれど、心地よく、TendreのEPと同列の感じで聴いていた。

slumbers -Deluxe Edition(CD +オマケ)-
- アーティスト: 藤原ヒロシ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2017/11/29
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
生まれた時代のせいもあって、この人がユース・カルチャーに与えた影響とかインパクトについてはなにも知らない。藤原ヒロシの新譜も「えー、この人、こんなミュージシャンだったのか!」と驚きつつ、日本のニューウェーヴの新しい名盤、と思った。さすが「時代をエディットする男」だな、と。パンクスのダサさもあるんだけど、超メロウで、すごいバランス感覚。
これまでビョークに関してはまったくピンときたことがなかったのだが(すごいミュージシャンだってことはなんとなく知っていた)、 今回のアルバムはちょっと良いな、と思った。トライヴァルとモダン、そこに現代音楽もはいっていて、みたいな無国籍・無時代の儀式音楽、っていうか。すごいセンスだなぁ、って思う。ポップスとして成立するかしないかのギリギリを攻めたポップスの形、というか(たぶん成立してないんだけれども)。
こちらはメロウ番長に教えていただいた。ミツメのシングル。これも今回初めて聴いたのだけれども、大好きなReal Estateみたいなインディーっぽい手触りがあって。こういうの嫌いになれないです、って思った。
トランペッター、ロン・マイルスのアルバムは久しぶりに「ああこういうジャズもあるのかぁ〜、新鮮」という気分になった。完全に参加しているビル・フリゼール目当てで聴きはじめたんだけれども。100人が聴いたら、80人ぐらいは「ジャズだ」というサウンドなのだけれども、特徴なのは「拍が楽譜におさまらない自由な感じ」だよなぁ、と。クリシェどおりに「浮遊感」とそれを表現して良いものか、ちょっとよくわからないのだが、まとまりがあるグルーヴではない、けれども、強烈に進む感じがあるから面白い、
あとは以下の音源も聴いた。