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文化的消費活動の日記

千葉雅也 『意味がない無意味』


意味がない無意味

意味がない無意味

 

気鋭の哲学者による最新作。昨年読んだ対談集はわたしの知力ではイマイチ理解が進まなかったのだが、本書を読むことでそこで言及されている「思弁的実在論」の理解が進むし、本書を読みながら、「意味がない無意味」、つまり、意味がありすぎて身動きができない状態(穴)に蓋をし、行為をするための「石」、的な事象って多々あるよね、と思う。「《意味がない》《無意味》」と否定的な言葉が重なるタイトルではあるが、肯定的な哲学であると思うし、ある種の開き直りに近い態度は今の気分。 

話題の経営者によるこのTweetも、実に千葉雅也的な主題であるよな、と感じる。

エッセー、批評、学術論文、さまざまなフォーマットの文章が収録されているが、ここで展開されている文章に、わたしはアドルノの論文「形式としてのエッセー」を想起させられた。なかでもラーメンについて書かれたもの、そして九鬼周造に言及した文章は、その文章の軽妙さや心の柔らかい部分を刺激するような語り口が魅力的である。

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