昨年の地獄の大炎上プロジェクトでは、100時間超の残業が3ヶ月連続した。で、その残業代がなかなかのアレだったので、地獄から無事抜け出した記念に「一生モノの時計」を一本買ったのだった。
だがしかし、「一生モノ」、「俺はもうコレ一本で行くんだ」と心に決めていたハズであるのにもかかわらず、これが最近の言葉でいうところの「沼」の入り口になってしまった……というのは、わたしの性格について熟知するわたし自身がちゃんと予想しておくべきだった。踏み入れてはいけない道であったのだ、たぶん。機械式時計について興味が湧いてしまって「次はアレだな……」と物欲番長がうずいてやまない。ZOZOの社長ではないから「次」は当分先であるのは間違いないのだが……。
そんな時分に、表参道にあるダズリングというアンティーク腕時計のお店の前を通りかかって、時計を見せてもらったりして「あー、やっぱり昔の時計って現行の時計より、デザインに品があって良いよなぁ」と思ったりしている。
前置きが長くなったが、本書はそのダズリングのバイヤーであった有竹重治が蒐集したロレックスのプライヴェート・コレクションを紹介するムック。現在絶版だが、ダズリングの店舗にはまだ在庫があり手にすることができた。現代ではダイバーウォッチのイメージが強いロレックスだが、1930年代にはアール・デコ様式をデザインに取り入れたりしてて歴史を感じることもできる。「目の保養」的な一冊。