sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

仲正昌樹 『現代哲学の最前線』

 

 思想・哲学の解説本で定評がある著者による「現代哲学」本。近頃よく聞くトピックをしぼってコンパクトに解説してくれるありがたい本……なのだが、初学者向けでは全然ない。ある程度ほかの入門書とかここで紹介されている思想家の本を自分で読んだ人が、本書のトピックにしたがって読み進めると「なんて素晴らしく整理されているのだろうか!」とか「あー、そういう文脈があるのか!」と学習計画を拡張したり、見識を広げてくれるだろう。中級者向けの観光ガイドって感じか。

自分にとっては「新しい実在論」のパートは、そんな感じで、わかることが多かったが、英米系の分析哲学については全然知らないし、ルールズとかサンデルとかが出てくるはじめの方は、着いていくので精一杯です、って感じ。