sekibang 3.0

Nouvelle茶人、あるいは勉強家によるブログ

佐々木達夫 『日本史小百科 陶磁』

 

 正月にブックオフで抜いた本。「日本史小百科」というシリーズのなかの陶磁器に関する一冊なのだが、記述は日本に留まらず人類史における陶磁器の成り立ちや、日本の陶磁器に多大な影響を与えた中国や朝鮮もカバーしている。大変良い本だと思う。惜しむらくは印刷が白黒なので陶磁器の図版の色がわからない、ということぐらい。まあ、そこは別な本でカバーしよう。

 たとえばこういう本で。これも本書で紹介されている本なのだが、1000ページ超えで図版が全部カラー。わたしが持っている昭和55年(1980年)の13刷では定価は15000円とあるが、中古で探せば3000円ぐらい。メルカリでも複数出品されている。さすがに買ってまだ通読できてないし、一生通読しないと思うが素晴らしいコスパの本だと思うので一家に一冊あっても良いだろう。なんか重しにもつかえるし。

話を本筋に戻すと、この『陶磁』が良いのは、著者が考古学系の人のせいか、うつわを美術品としてだけでなく、文化史や経済史とも関連付けて取り上げているのが良い。うつわの製法についても詳しいし、出土した窯の遺跡についても多くページを割いている。この遺跡に関する記述で、自分の実家の近くに東北では珍しい平安時代の窯跡が出土しているということを知って驚いた(それきっかけで極めてローカルな郷土史についてしばらく調査を続けてしまった)。