6月のはじめ、急に「あ、なんかコレちょっと書いてみようかな」という思いつきから小説めいた文章を書きはじめて、それが結果的に400字詰め原稿用紙で181枚の小説らしきものになった(原稿のファイルは、ある文学賞にさっき送った)。書けちゃった、って感じなので、ひょっとすると俺はこの本の対象読者である「書きあぐねている人」ではないのかもしれないのだが、近年影響を受けている千葉雅也や、小説の草稿を読んでくれたFさんとかが本書に言及してたのを思い出して読んでみた。保坂和志の小説は一冊も読んだことがない。
とにかくいまのまま続けていたら、書くことはできないが、工夫と努力で書く時間は絶対に作れる。一日二時間小説を書くことができればそれで十分だ。二時間あれば三枚書ける。一日三枚書ければ、一か月で九〇枚になる。二〇〇枚くらいの小説なら下書きに二か月、推敲と清書で一か月、三か月もあれば一本書けてしまう。
「会社に勤めながら小説を書く」という箇所のこの文章、これが良かった、というか、励まされると言うか。これからも年に一本ぐらい書いてみようかな、という気分にさせられる。それ以外はなんか俺にはよくわかんなくて、小説の書き方っていうよりかは、ふーん、小説ってそんな風に読むんだな、という感心の仕方。