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文化的消費活動の日記

『T_ADS TEXTS 02: もがく建築家、理論を考える』

東京大学建築学専攻 Advanced Design Studiesというグループによって編集されている本の第2弾。2017年に刊行されたもの。丹下健三を日本の現代建築におけるひとつのオリジンとして捉え、丹下が考えた建築に関する四つのエレメント「理論」、「技術」、「都市」、「人間」のそれぞれを枠組みにしながら日本の現代建築を見直していく……そのシリーズの第1弾「理論」編。日本を代表する建築家、磯崎新、香山壽夫、藤森照信妹島和世、そしてもはや現代日本における御用建築家的な存在になっている隈研吾の作品を訪れ、そこで自らの建築について語ってもらう、という内容になっている。どれも大変おもしろい。丹下健三に直接支持していた世代における「丹下健三をいかに乗り越えるか/向き合うか」みたいな話はもちろん、隈研吾の回なんかはどうしてこの人が御用建築家みたいになっているのかがわかってくるような気がする。その後、このシリーズも止まっているみたいなのだが、次も気になるところ。

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