sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

『筒美京平の記憶』

ミュージック・マガジン」による筒美京平追悼ムック。雑誌での追悼特集記事をもとに追加コンテンツを膨大に加え、300ページ近い分厚い内容となっている。本人へのインタヴューもあるが、筒美京平と一緒に仕事をした歌手や編曲家、ディレクターなどの証言が大変に面白く、筒美京平が関わった楽曲を作家主義的に捉えるだけでなく、そのヒット曲に関わったスタッフの声を拾い集めることである時代(というにはかなり長い期間にわたってのドキュメントとなるが)の音楽産業の姿を捉えたものとなっている。歌謡曲の歴史を作った、というよりも筒美京平自身が歌謡曲そのものである、というもはや陳腐化しつつあるクリシェの真意が紐解かれるよう。