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文化的消費活動の日記

ハル・フォスター編 『視覚論』

  • マーティン・ジェイ 「近代性における複数の「視の制度」」
  • ジョナサン・クレーリー 「近代化する視覚」
  • ロザリンド・クラウス 「見る衝動(インパルス)/見させるパルス」
  • ノーマン・ブライソン 「拡張された場における〈眼差し〉」
  • ジャクリン・ローズ 「セクシュアリティと視覚」

1987年にハル・フォスターがオーガナイズしたシンポジウムがもとになった論文集。視覚をテーマに5つの論文を収録している。マーティン・ジェイやジョナサン・クレーリーの論文は、サイエンスやテクノロジーの変化と視覚に関する理解の変化を扱っており、ラカンがどうのこうの、みたいな話がでてこないので読みやすい。後ろになればなるほど、ややこしくなる構成。ちょうど真ん中のロザリンド・クラウスあたりからラカンを前提に話をしてたりする。一番面白いのはロザリンド・クラウスかなー。リズム、ビート、パルスを取り扱っており、映画にも転用できそうな話をしている。