いつのまにか「町中華」という(苦手な)言葉も聞かなくなった(気がする)が、なんかいま自分のなかで中華料理がアツい感じだ。今年のサントリー学芸賞に『中国料理の世界史:美食のナショナリズムをこえて』(いま読んでるがかなり面白い)が選ばれたり、中華料理リサーチ漫画『いつか中華屋でチャーハンを』も面白かった。本書は京都で独自に進化した中国料理を紹介する本。文化的、歴史的な要素が料理にも影響を与えているのが面白いし、どれも美味そう。『中国料理の世界史』のなかで用いられているテクニカル・タームで言うならば日本に「現地化」した中国料理のなかでもとりわけローカライズされたものが「京都の中華」ということになる。