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文化的消費活動の日記

芦澤一洋 『アーバン・アウトドア・ライフ』

都会に住みながら大自然に思いを馳せ、そして自然を愛でる、自然のなかで生きていることを感じる。日本に「アウトドア」の概念を持ち込んだ第一人者による名エッセイ。とても気持ちが良い本で、著者の感性には初期の茶人的なものを感じる。岡倉天心が『茶の本』でその当時の茶人のメンタリティについて「形式やかたちばかりを見ている」と批判し、大昔の茶人たちが形式に囚われず、物事の本質を直観によって捉えて楽しんだことを祝いだ。

アウトドアの持つ精神が変化して、いわゆるファッションになってしまいました。

文庫化にあたって追加された著者の妻と友人による対談には、このような言葉がある。本書にあるのはファッションになる前のあり方。