sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

レイモンド・チャンドラー 『さよなら、愛しい人』

先日集中的に谷口ジローのハードボイルド調の漫画を読んでいたら無性にチャンドラーが読みたくなった。これで3冊目。翻訳者の村上春樹はチャンドラーのベスト3に『大いなる眠り』、『ロング・グッドバイ』、そしてこの『さよなら、愛しい人』をあげている。ミステリ小説に特別な親しみもなければ、これといってハードボイルドファンではない自分からすると……というか、そのように縁が遠いからこそ、読むたび驚かされるのがチャンドラー世界で(いまの生活ではかなり断片的にしか読書時間がとれないのだが、それでも)高い密度の熱をもって読み終えてしまった。すごい強度。『大いなる眠り』の感想でも書いているのだが、探偵、美女、暴力、悪人、酒、煙草、ピンチ(と脱出)、そして謎解き、この「お約束」たちをすさまじい言葉の技術で繋いでいくすさまじさ。

sekibang.hatenadiary.com

sekibang.hatenadiary.com