購入から1年ほど寝かせたのち、モンテーニュの『エセー』を読了。ちょうど今の自分の年齢ぐらいでモンテーニュは本書の執筆をはじめており、読んでいて「わかりますぞ〜」みたいなポイントが多かった。それはスタロバンスキーのモンテーニュ本を読んだときにも思ったこと。当然知識レヴェルも違えば、16世紀の知識人の老け込み具合も、ちょうど昭和の40歳と令和の40歳の違いのように歴然としているのだが、それでも。
一方で、かなり変な本でもある。隠遁生活を送っているテイであるにもかかわらず、モンテーニュの目は外の世界をめちゃくちゃ見ている。とくに4巻に収録された第12章「レーモン・スボンの弁護」では、新大陸で発見された知見などへのふんだんな言及がある。なんというか、インターネットを、Wikipediaを頼りに一生懸命物書きをしている人のような趣きさえ感じられる。