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文化的消費活動の日記

外山滋比古 『思考の整理学』

 

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

 

英文学者が記した勉強法・執筆法・知的整理法についてのエッセイ。日本の教育は「グライダー型人間(自分の力では飛べない)」を育てるばっかりで「飛行機型人間(自分の力で飛べる)」を育ててこなかった、という反省を踏まえて、自身の経験に基づくさまざまな方法を紹介している。超有名な本なのでいまさら詳しく紹介する必要もないであろう。長いこと「How To」系の本だと思いこんでいて、敬して遠ざけてきた本だったのだが、読んでみたらエッセイとして面白い。元になった本は1983年に出版されている。40年近く前の本のなかで「これからはコンピューターの時代。記憶力の価値はダダ下がりするに違いないので、創造的な人間を目指そう(大意)」とか書かれていて、その先駆的な物言いに恐れ入る、とともに、40年近く前からコンピューターによるマンパワーの置換が言われてるんだから、今言われてる「AIが人間を駆逐する」みたいなこともホントにおきないんじゃないの、と思ってしまう。シンギュラリティ、ホントに来るのかよ、的な。