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文化的消費活動の日記

武満徹 『武満徹著作集 5』

武満徹の著作集の最終巻。落穂拾い的な感じで、本に未収録のエッセイやプログラム・ノーツなども収録されている。かつて存在した出版社、TBSブリタニカが刊行していた音楽雑誌「ポリフォーン」に掲載されていた著名な作曲家との対談記事が面白いところか。

ロラン・バルト 『ロラン・バルト講義集成3:小説の準備』

ロラン・バルトの最晩年におこなった講義ノートをもとにした本。「小説の準備」と言いながら前半部分は、日本の俳句の分析をおこなっており、来たるべきバルトの小説になにが書かれようとするのかが語られている。後半部分は過去の作家を例に取りながらなされるいかにして小説を書くかを思考する。なにが、いかにして。この対になった問いのなかで興味を惹かれたのは、断然前半部分で、そこで語られる俳句の「瞬間のエクリチュール」としての姿が、後期のバルトが語ったさまざまなキーワード、エピファニー、偶景、プンクトゥム……とつながって読めていく。

『インタビュー:坂本龍一』

リットーミュージックの音楽雑誌『キーボード・マガジン』と『サウンド&レコーディング・マガジン』に掲載されていた坂本龍一関連記事を一挙にまとめたアーカイヴ的な一冊。1980年から2017年までの制作について、機材関連の詳細も含めて坂本龍一自身の言葉でふりかえることができる意味では大変貴重な内容だろう。とても面白かったし、とくに1990年代後半からの記事は、坂本龍一の思考を正面から理解できるライター陣が参加するようになったように見え、記事の内容がグッと濃くなり、言葉も先鋭化しているように思えた。比較的高価な本だが購入する価値あり。

新しい洗濯機買ったんだ日記

6年ちょっとぐらい使った洗濯機がぶっ壊れたので新しく洗濯機を買った。前回買ったのと同じ日立のドラム式で、6年のあいだの機械の進歩に驚きもしたのでブログにも書いておく。

kadenfan.hitachi.co.jp

以前の機種はこのBD-SV110Bというモデル。ここからの進歩として

  • ほこりが溜まる乾燥フィルターがなくなっている
    • 糸くずがたまるフィルターに全部ゴミがたまる
  • 風呂の残り湯が使える機能がなくなっている
    • が、ドラム式は水をあまり使わないのがメリットなので、残り湯を使うメリットがそこまでないから割とどうでも良い
  • 乾燥中の騒音がめちゃくちゃ静かになっている
    • リモートワーク中にずっと騒音が気になってたのでこれはうれしい

って感じ。あと洗剤の自動投入機能もついているが、粉洗剤が使えないのでこれはまだ使えていない(これからも使うかな……?)。

デザインもシンプルに白一色になっているのも良い。さらに上位機種だと機械全体が直線的なデザインでグッド、乾燥機能も省エネ・短時間になるらしいのだが、買った機種との価格差が14万円ぐらい、省エネ効果が年間6000円ぐらい、となると「これ絶対ペイしないでしょ」ってなって購入には至らず。

やっぱ、乾燥フィルターレスが一番うれしい機能改善かな。ドラム式のなにが嫌かというとメンテのわずらしさで、乾燥フィルターがなくなったことで糸くずフィルターの掃除と毎度のパッキン周りのほこり取り(毎回ウェットティッシュで拭いてる)だけになったのはかなりうれしい。

あとはどれだけ耐久力があるか……。

【2024年ベストバイ】首都圏在住コンサルタント(39)が今年買って良かったモノ

高橋ユキさんのメルマガのスレッドでもちょろっと書いてましたが、ベスト・バイ、2024分も書いてみたいと書いてみたいと思います。去年の記事はこちら。

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JUNYA WATANABE MANのバスキアプリントジャケット

www.instagram.com

2024年は2023年に比べると服を買ってなかった気がするんですが(気のせいかも。オーダースーツとか作ってたし……)引き続きブランド古着のお店を中心にいろいろと買っていました。いろいろ買ったなかでも手に入れられて超嬉しかった & まわりから褒められまくったのが、このJUNYA WATANABE MANのバスキアの絵がプリントされたジャケット。ギャルソン系列のお召し物を愛用されていることで知られる富野由悠季監督がインタヴューのときに着ていて「これ、俺も欲しい!!」と思ってずっとフリマアプリとかをチェックしていて運良くゲットできました(2023年春夏のアイテムで欲しい、と思ったときには新品で買えるはずがなかった)。かなり主張強めのジャケットではありますが、アート好きかどうか関わらず同僚などから「めちゃくちゃ良いっすね!」と褒められまくって気分良かったです(京都言葉的なやつかもしれないけど)。

REGALのローファー

「あー、なんかローファーとか履きたい気分だなぁ!」って気分が心の奥底に漂っている時期に魔が差して日本橋のREGALに足を踏み入れて衝動買いしたもの。ヴィブラムソールでスニーカーぐらいの重さで大変軽く、履いて外出するのが3回目ぐらいまでは靴擦れがひどかったですが、4回目以降は「どこまでも歩けそう」って感じの足馴染みの良さに驚きました。アイテム自体のコスパの良さも素晴らしいですが、日本橋のREGALのスタッフの方の丁寧なフィッティングのアドヴァイスも感動的。靴の上から触るだけで自分の右足のほうが大きいことを察知していました。

N. STYLING FOAM BOUNCE WAVE

ndot.jp

2024年がBefore COVIT-19ぶりにパーマをかけたんですが、美容師さんにおすすめされたN.の新しいスタイリング剤がめちゃくちゃ良かったです。ムースみたいに泡ででるのに主成分はオイルだそうで、パーマのクルクルとウェットなツヤが1日中持続する、にもかかわらず、髪がパキパキに固まらないのがとても良い。

現場からは以上です。この記事を書きながらInstagramも見直してたけど、Mac mini買ったのも2024年だし、iPad miniも買ってたし、ヘッドフォン・イヤフォンは3種類(オープンイヤーBTイヤフォン、有線ヘッドフォン、ノイキャンBTヘッドフォン)、スピーカー、スピーカー・ケーブルと音響機材もいろいろ買ってたな……。

「物」カテゴリーでもいろいろ書いているのでこの機会にご笑覧ください。

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2024年に読んだ本を振り返る

  1. 浅田彰 『構造と力: 記号論を超えて』 - sekibang 3.0

  2. 三浦哲哉 『自炊者になるための26週』 - sekibang 3.0

  3. 片岡一武 『ゼロから始めるジャック・ラカン: 疾風怒濤精神分析入門 増補改訂版』 - sekibang 3.0

  4. 『西遊記』 - sekibang 3.0

  5. 張源『茶録』/ 許次ショ『茶疏』 - sekibang 3.0

  6. エルネスト・H・カントーロヴィチ 『王の二つの身体』 - sekibang 3.0

  7. リチャード・E・ルーベンスタイン 『中世の覚醒: アリストテレス再発見から知の革命へ』 - sekibang 3.0

  8. 『武満徹著作集 4』 - sekibang 3.0

  9. 丸谷才一 『後鳥羽院』 - sekibang 3.0

  10. デレク・ベイリー 『インプロヴィゼーション: 即興演奏の彼方へ』 - sekibang 3.0

  11. 斎藤幸平 『マルクス解体: プロメテウスの夢とその先』 - sekibang 3.0

  12. 千葉雅也 『センスの哲学』 - sekibang 3.0

  13. 『新古今和歌集』 - sekibang 3.0

  14. マヌエル・プイグ 『天使の恥部』 - sekibang 3.0

  15. 『三宅一生 未来のデザインを語る』 - sekibang 3.0

  16. 山内志朗 『普遍論争』 - sekibang 3.0

  17. 東浩紀 『訂正する力』 - sekibang 3.0

  18. VIDEOTAPEMUSIC 『Revisit』 - sekibang 3.0

  19. 『ジョアン・ジルベルト読本』 - sekibang 3.0

  20. 菊地成孔 大谷能生 『たのしむ知識: 菊地成孔と大谷能生の雑な教養』 - sekibang 3.0

  21. 劉慈欣 『三体2 暗黒森林』 - sekibang 3.0

  22. ルイ・ジャン=カルヴェ 『ロラン・バルト伝』 - sekibang 3.0

  23. レイモンド・チャンドラー 『さよなら、愛しい人』 - sekibang 3.0

  24. 坂口恭平 『その日暮らし』 - sekibang 3.0

  25. 福尾匠 『非美学: ジル・ドゥルーズの言葉と物』 - sekibang 3.0

  26. アンディ・ウォーホル 『ぼくの哲学』 - sekibang 3.0

  27. 今井晶也 『Sales is: 科学的に成果をコントロールする営業術』 - sekibang 3.0

  28. 『小学館の図鑑NEOアート 図解 はじめての絵画』 - sekibang 3.0

  29. 菊地成孔 『菊地成孔の欧米休憩タイム』 - sekibang 3.0

  30. 濱口竜介 『他なる映画と 1』 - sekibang 3.0

  31. ジャック・デリダ 『ポジシオン』 - sekibang 3.0

  32. 牛尾剛 『世界一流エンジニアの思考法』 - sekibang 3.0

  33. 『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集: 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 』 - sekibang 3.0

  34. 宮本彩子 「クレソン」 - sekibang 3.0

  35. 菊地成孔 『菊地成孔の映画関税撤廃』 - sekibang 3.0

  36. 山本浩貴 『新たな距離: 言語表現を酷使する(ための)レイアウト』 - sekibang 3.0

  37. ウラジーミル・ナボコフ 『ディフェンス』 - sekibang 3.0

  38. ヴァージル・アブロー 『”複雑なタイトルをここに”』 - sekibang 3.0

  39. 青山真治・阿部和重・中原昌也 『青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!』 - sekibang 3.0

  40. 『東京大学建築学科 難波研究室 活動全記録』 - sekibang 3.0

  41. 森元斎 『アナキズム入門』 - sekibang 3.0

  42. 新渡戸稲造 『武士道』 - sekibang 3.0

  43. 濱口竜介 『他なる映画と 2』 - sekibang 3.0

  44. ロラン・バルト 『テクストの快楽』 - sekibang 3.0

  45. 栗原康 『はたらかないで、たらふく食べたい 増補版:「生の負債」からの解放宣言』 - sekibang 3.0

  46. 矢作俊彦 『フィルムノワール/黒色影片』 - sekibang 3.0

  47. 松本俊彦 『自傷行為の理解と援助』 - sekibang 3.0

  48. ミシェル・ド・モンテーニュ 『エセー』 - sekibang 3.0

  49. 松本俊彦(編) 『「助けて」が言えない:SOSを出さない人に支援者は何ができるか』 - sekibang 3.0

  50. 松本俊彦(編) 『「助けて」が言えない 子ども編』 - sekibang 3.0

  51. W. G. ゼーバルト 『鄙の宿』 - sekibang 3.0

  52. 坂口恭平 『自己否定をやめるための100日間ドリル』 - sekibang 3.0

  53. ジャック・デリダ 『他者の単一的言語使用:あるいは起源の補綴』 - sekibang 3.0

53冊。あんまりブレイク・スルー的なものもなく。2025年はどうなるだろう。

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