sekibang 3.0

Nouvelle茶人、あるいは勉強家によるブログ

ジル・ドゥルーズ 『ドゥルーズ・コレクション1: 哲学』

ドゥルーズ・コレクション1: 哲学 (河出文庫) 作者:ジル ドゥルーズ 河出書房新社 Amazon ドゥルーズがヒュームを扱った文章が読みたくて買った(後にだいぶ放置していた)。収録されている文章の半分ぐらいは難しくてぜんぜんついていけなかったが、ヒュー…

國分功一郎 千葉雅也 『言語が消滅する前に』

言語が消滅する前に (幻冬舎新書) 作者:國分功一郎,千葉雅也 幻冬舎 Amazon 『中動態の世界』と『勉強の哲学』の刊行を記念した対談から続く國分 × 千葉による対談シリーズを収録したもの。いずれの書物も2017年の刊行で、この年は東浩紀の『観光客の哲学』…

坂本龍一 後藤繁雄 『skmt 坂本龍一とは誰か』

skmt 坂本龍一とは誰か (ちくま文庫) 作者:龍一, 坂本,繁雄, 後藤 筑摩書房 Amazon 坂本龍一への1996年からと、9.11を挟んで、それ以後の2006年ごろまでのインタヴューをもとにした本。この96年から2006年という期間は、すでに「世界のサカモト」という評価…

2021年に読んだ本を振り返る

G. W. F. ヘーゲル 『精神現象学』 - sekibang 3.0 ドミニック・ローホー 『少食を愉しむ: シンプルにやせる、太らない習慣』 - sekibang 3.0 栗野宏文 『モード後の世界』 - sekibang 3.0 カエターノ・ヴェローゾ 『熱帯の真実』 - sekibang 3.0 斎藤幸平 …

フミコフミオ 『神・文章術: 圧倒的な世界観で多くの人を魅了する』

神・文章術 圧倒的な世界観で多くの人を魅了する 作者:フミコフミオ KADOKAWA Amazon もう10年以上の付き合いである友人のフミコさんの新刊(改めてご恵投ありがとうございました*1)。またタイトルから大きく出たな、という感じで苦笑を禁じ得なかったのだ…

丹下健三 『丹下健三建築論集』

丹下健三建築論集 (岩波文庫 青 585-1) 作者:豊川 斎赫 岩波書店 Amazon 20世紀の日本を代表する建築家による建築論コンピレーション。最初に収録されているのが若書きの「MICHELANGELO頌」というかなりエモエモな文体の檄文なのでキツいのだが(もっともこ…

トマス・ピンチョン 『ブリーディング・エッジ』

トマス・ピンチョン全小説 ブリーディング・エッジ (Thomas Pynchon Complete Collection) 作者:トマス・ピンチョン 新潮社 Amazon 2013年に発表されたトマス・ピンチョンの現時点での最新作。舞台は2001年、インターネット・バブルが崩壊した9.11の前後のNY…

クラウス・リーゼンフーバー 『中世思想史』

中世思想史 (平凡社ライブラリー) 作者:クラウス・リーゼンフーバー 平凡社 Amazon 全集とかシリーズものの本を買うと、ちょっとした冊子みたいなのが挟まってあって、解説とかエッセイみたいなのが掲載されていることがあるでしょう。この『中世思想史』は…

蘆田裕史 『言葉と衣服』

言葉と衣服 作者:蘆田 裕史 アダチプレス Amazon 日本におけるファッション批評・ファッションジャーナリズムの領域で語られる言葉は、雰囲気しか伝えていない、的な問題意識からはじまる新たなファッション批評宣言。もっと言葉を厳密に定義して、細かに分…

鈴木健 『なめらかな社会とその敵: PICSY・文人民主主義・構成的社会契約論』

なめらかな社会とその敵 作者:鈴木 健 勁草書房 Amazon 個人が意思決定と責任を負いながら生活し、モノの所有が認められるような社会において、意志の発露をおこなうものを「核」になぞらえ、所有やその核に所属する領域を定めるものを「膜」になぞらえる。…

村岡晋一 『ドイツ観念論: カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル』

ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル (講談社選書メチエ) 作者:村岡晋一 講談社 Amazon 「ドイツ観念論は終末論敵陶酔の哲学である」、つまりは歴史の終わりに立って、過去をすべて見渡せるところに自らがいる、という自覚に基づいて思索を…

辻静雄 『舌の世界史』

舌の世界史 <辻静雄ライブラリー 4> 作者:辻静雄 復刊ドットコム Amazon 名門・辻調理師専門学校の創設者、辻静雄によるエッセイ。タイトルは料理史的なものを連想させるが、そこまで堅苦しいものではなく、むしろ、料理をめぐる楽しい食エッセイという趣向……

丸山圭三郎 『ソシュールを読む』

ソシュールを読む (講談社学術文庫) 作者:丸山圭三郎 講談社 Amazon やや高めの難易度だと思うが『ソシュールと言語学』のような本で準備をしておくと少し読みやすくなると思う。ソシュールの『一般言語学講義』を読み解くセミナーの内容をもとにした本で、…

藤井義夫 『アリストテレス』

アリストテレス (思想学説全書) 作者:藤井義夫 勁草書房 Amazon (読んでる途中にTwitterで言及したらTwitter経由でこの本の古書が4冊も売れた)1959年に刊行されたアリストテレスの概説書。著者は一橋大学の名誉教授。調べたところによると1905年生まれとあ…

ハン・ガン 『菜食主義者』

菜食主義者 (新しい韓国の文学 1) 作者:ハン・ガン cuon Amazon 韓国の作家、ハン・ガンの本を読むのはこれが2冊目。 sekibang.hatenadiary.com 『ギリシャ語の時間』は、静的、かつ知的な雰囲気が漂う作品だったが、この『菜食主義者』はかなりスタイルが違…

ホアキン・ガルシア・ガスケス 『ミリタリーフィギュア塗装ガイド』

ミリタリーフィギュア塗装ガイド (海外モデラースーパーテクニック) 作者:ホアキン・ガルシア・ガスケス 新紀元社 Amazon スペインの有名モデラーによるミリタリー・フィギュアの塗装(だけでなく、組み立てからディテールアップ、ジオラマ製作まで)指南書…

山本浩貴 『現代美術史: 欧米、日本、トランスナショナル』

現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル (中公新書) 作者:山本 浩貴 中央公論新社 Amazon 戦後の欧米、日本、さらには国境をまたぐ領域における社会に働きかける芸術の歴史をコンパクトにまとめている……のだが、このコンテンツで「現代美術史」っていう…

町田健 『ソシュールと言語学』

ソシュールと言語学 (講談社現代新書) 作者:町田 健 講談社 Amazon 一般言語学のパイオニアであるソシュールのエッセンスとともに、そこから発展していった言語学の潮流と著名な言語学者についてコンパクトにまとめている。現代思想への影響などはほとんど触…

ダニエル・パウル・シュレーバー 『ある神経病者の回想録』

ある神経病者の回想録 (講談社学術文庫) 作者:ダニエル.パウル・シュレーバー 講談社 Amazon いまから120年ほど前にドイツの優秀な裁判官だった男性が記した本。男性はいまで言うところの統合失調症で、病気に起因する体験を克明に記録している。フロイトに…

坂口恭平 『お金の学校』

お金の学校 作者:坂口恭平 晶文社 Amazon 「経済とは流れだ」と繰り返されるように、流れていく文章の気持ちよさ。noteの連載ですべて読んでいたけれど、改めて読み直して、そのページをめくる肉体的な気持ちよさが良かった。

ロレイン・ダストン ピーター・ギャリソン 『客観性』

客観性 作者:ロレイン・ダストン,ピーター・ギャリソン 名古屋大学出版会 Amazon Objectivity (Zone Books) 作者:Daston, Lorraine,Galison, Peter Zone Books Amazon この本については、MLだけ参加させてもらっている駒場の某研究会で読書会が開かれていて…

松本卓也 『創造と狂気の歴史: プラトンからドゥルーズまで』

創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで (講談社選書メチエ) 作者:松本卓也 講談社 Amazon 近年のイケてるビジネス・シーンにおいて新たなアイデアを創出するのにはある種のクレイジーさが必要である……などと語られているらしい。そこでのクレイジーで…

ヴァージニア・ウルフ 『灯台へ』

灯台へ (岩波文庫) 作者:ヴァージニア ウルフ 岩波書店 Amazon 夏休みの読書。 俺はいま36歳で中年と呼ばれるのにやぶさかではない年齢に突入しているけれど、こういう小説を読むと「年を取るのも悪くないね」って思う。この作品は(たぶん)学生の頃に古い…

新宮一成 『ラカンの精神分析』

ラカンの精神分析 (講談社現代新書) 作者:新宮 一成 講談社 Amazon 「ラカン入門のベテラン」としての功徳を積むため読む。手頃で入手しやすいラカン入門の本で、かなり書きぶりにはクセがあるものの良い本だと思う。類書と大きく異なっているのは、フランス…

ロラン・バルト 『恋愛のディスクール・断章』

恋愛のディスクール・断章【新装版】 作者:ロラン・バルト みすず書房 Amazon 石川美子の新書『ロラン・バルト』(良い本です)によれば、本書は1975年から1977年にかけてバルトが開いた恋愛に関するセミナーでの講義がもとになったもの。出版は1977年。バル…

山本理顕 『住居論』

新編 住居論 (平凡社ライブラリー) 作者:山本 理顕 平凡社 Amazon 建築家の山本理顕の名前は、山下埠頭の再開発提案の関連で知った。 橫浜市は7月27日から8月7日まで、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を紹介する企画展示を市役所ではじめた。我々の提…

佐木隆三 『身分帳』

身分帳 (講談社文庫) 作者:佐木隆三 講談社 Amazon 西川美和の最新作『すばらしき世界』の原作。長らく絶版だったらしいのだが、映画化を期に復刊、西川自身も「復刊にあたって」という文章を寄せている。映画と原作の関係に触れた内容となっている。しかし…

伊藤亜紗 『手の倫理』

手の倫理 (講談社選書メチエ) 作者:伊藤亜紗 講談社 Amazon 頭で考えることから離れて、身体のレベルから立ち上ってくるような感覚について考えてみたいような気がしていて、伊藤亜紗の仕事がその関心に近いのかもしれない、と思って読んだ……のだが、なんか…

W. G. ゼーバルト 『移民たち: 四つの長い物語』

移民たち:四つの長い物語(新装版) 作者:W・G・ゼーバルト 白水社 Amazon 2021年に読むゼーバルトの2冊目。ここ数年はかなり小説を読む機会が減っていて、それはなぜかといえば、フィクションの世界に浸るような余裕、というか隙間がどんどん少なくなっている…

トマ・ピケティ 『21世紀の資本』

21世紀の資本 作者:トマ・ピケティ みすず書房 Amazon もう邦訳がでてから6年以上が経ってしまって「なんでこの本、流行ったんだっけ……?」って疑問が浮かんでしまうが、ちゃんと面白い! 経済学の基礎知識を備えていれば全然難しい話はでてこないから、体力…