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Nouvelle茶人、あるいは勉強家によるブログ

鈴木忠平 『嫌われた監督: 落合博満は中日をどう変えたのか』

嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか (文春e-book) 作者:鈴木 忠平 文藝春秋 Amazon 大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したスポーツ・ノンフィクション。落合博満が中日の監督を務めた8年間を落合と一緒に仕事をした選手や球団スタッフの変化を媒介…

ハル・フォスター編 『視覚論』

視覚論 (平凡社ライブラリー) 平凡社 Amazon マーティン・ジェイ 「近代性における複数の「視の制度」」 ジョナサン・クレーリー 「近代化する視覚」 ロザリンド・クラウス 「見る衝動(インパルス)/見させるパルス」 ノーマン・ブライソン 「拡張された場…

『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード: ジェンダー・フェミニズム批評入門』を御恵投いただきました!

お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門 作者:北村 紗衣 文藝春秋 Amazon 北村紗衣さんより新刊を御恵投いただきました! ありがとうございます! とてもかわいい装丁。いつもブログに書いている舞台評や映画評を楽しみに読ま…

高橋ユキ 『逃げるが勝ち: 脱走犯たちの告白』

逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白(小学館新書) 作者:高橋ユキ 小学館 Amazon 『つけびの村』が大きな話題を呼んだ著者による『つけび』以降第一作。記憶に新しい2人の逃走犯と1人の昭和の脱獄犯について、逃走犯本人や現地の住民への取材も重ねながら、その…

古田徹也 『言葉の魂の哲学』

言葉の魂の哲学 (講談社選書メチエ) 作者:古田徹也 講談社 Amazon 2019年にサントリー学芸賞を受賞している。我々が日常的に使っている言葉をめぐって平易な言葉で哲学する大変学びある一冊だと思う。本書を読むにあたって前提知識もほとんど必要でない思わ…

ルシア・ベルリン 『すべての月、すべての年』

すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集 作者:ルシアベルリン 講談社 Amazon アメリカで出版されたルシア・ベルリンの短編集『掃除婦のための手引書』(2015年)から、2019年に邦訳された『掃除婦のための手引書』に収録されていなかった作品を収録…

土井善晴 『一汁一菜でよいと至るまで』

一汁一菜でよいと至るまで(新潮新書) 作者:土井善晴 新潮社 Amazon 料理研究家、土井善晴先生の新刊。書名から推察されてるとおり、著者の自伝的な内容も含まれていて、土井勝の息子として生まれ育ち、国内外での修業を経て『一汁一菜でよいという提案』で…

ウィリアム・フォークナー 『サンクチュアリ』

サンクチュアリ (新潮文庫) 作者:フォークナー 新潮社 Amazon フォークナーは『八月の光』を7年前に読んで以来らしい。 sekibang.blogspot.com 当時の記録を紐解くと、かなり感銘を受けていたようだがどんな話だったか今となってはまったく覚えていない。そ…

濱田武士 『魚と日本人: 食と職の経済学』

魚と日本人――食と職の経済学 (岩波新書) 作者:濱田 武士 岩波書店 Amazon 日本の漁業や魚介類の流通、消費に関する概説書。著者は現在日本の魚食文化の危機に警鐘を鳴らしており(魚介類の消費量の減少や、水産資源の減少、さらには漁業のビジネスの存続)、…

木島泰三 『自由意志の向こう側: 決定論をめぐる哲学史』

自由意志の向こう側 決定論をめぐる哲学史 (講談社選書メチエ) 作者:木島泰三 講談社 Amazon 國分功一郎の『中動態の世界』のヒット(したんだよね?)以降、意思(と責任)の哲学的問題に関して関心をもつ人は多かろうと予想しているのだが、本書はそうした…

大友克洋 『Animation AKIRA Storyboards 2(OTOMO THE COMPLETE WORKS 22)』

Animation AKIRA Storyboards 2 (OTOMO THE COMPLETE WORKS) 作者:大友 克洋 講談社 Amazon こちらの続き。2巻に映画の後半部分を収録。さらに没になった絵コンテやラフも収録している。これが良い。映画でも漫画でも描かれなかった第三次世界大戦のシーンや…

北村紗衣 『批評の教室: チョウのように読み、ハチのように書く』

批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く (ちくま新書) 作者:北村紗衣 筑摩書房 Amazon 文学部的な読み方(作品鑑賞の仕方)を学べるやさしい入門書。非文学部に在学中の批評に興味がある学生向けに適したコンテンツのような気がする。気がする、…

ジャック・ラカン 『精神分析の四基本概念』

ジャック・ラカン 精神分析の四基本概念(上) (岩波文庫 青 N 603-1) 岩波書店 Amazon ジャック・ラカン 精神分析の四基本概念(下) (岩波文庫) 岩波書店 Amazon ラカンの「セミネール」シリーズから初の文庫化。 帯には「ラカン入門」と書いてあるが、虚偽に…

『筒美京平の記憶』

筒美京平の記憶 ミュージック・マガジン Amazon 「ミュージック・マガジン」による筒美京平追悼ムック。雑誌での追悼特集記事をもとに追加コンテンツを膨大に加え、300ページ近い分厚い内容となっている。本人へのインタヴューもあるが、筒美京平と一緒に仕…

光石研 『SOUNDTRACK』

SOUNDTRACK 作者:光石研 PARCO出版 Amazon 俳優、光石研のエッセイ。青山真治の作品になくてはならない俳優、というイメージでなんとなく好きな俳優だったのだが、近年は「バイプレイヤーズ」の人か。この人がソウルやポップスに造詣が深く、クレイジーケン…

東浩紀 『一般意志2.0: ルソー、フロイト、グーグル』

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル (講談社文庫) 作者:東 浩紀 講談社 Amazon ルソーの一般意志を現代のインターネット環境(というよりも、本書のなかではその言葉は使われていないが、IoT社会、本書のなかでは≒ユビキタス環境)のなかで読み直した20…

田中ウルヴェ京 奈良雅弘 『ストレスに負けない技術』

〈NJセレクト〉ストレスに負けない技術 作者:田中ウルヴェ京,奈良 雅弘 日本実業出版社 Amazon こないだの村田諒太 対 ゲンナジー・ゴロフキン戦後の村田諒太のインタヴュー記事で田中ウルヴェ京という名前を知る。村田選手のメンタルトレーナーを勤めていた…

ジャン・ジャック・ルソー 『社会契約論』

社会契約論 (岩波文庫) 作者:J.J. ルソー 岩波書店 Amazon 何度かの中断をはさみながら読んでしまったせいで大変に散漫な読書になってしまった。 「各構成員の身体と財産を、共同の力のすべてをあげて守り保護するような、結合の一形式を見出すこと。そうし…

千葉雅也 『オーバーヒート』

オーバーヒート 作者:千葉雅也 新潮社 Amazon 『現代思想入門』の流れで千葉雅也の『オーバーヒート』を読み直したくなり、雑誌掲載のもので読んではいたのだが、改めて単行本を買い求めたのだった。表題作の「オーバーヒート」とともに短編「マジックミラー…

千葉雅也 『現代思想入門』

現代思想入門 (講談社現代新書) 作者:千葉雅也 講談社 Amazon こんなに明晰に、かつスルスルと読めてしまう現代思想入門があって良いのだろうか。驚きをもって受け入れるべき新書。すごい。デリダ、ドゥルーズ、フーコーというフランス現代思想の中心人物の…

『T_ADS TEXTS 02: もがく建築家、理論を考える』

T_ADS TEXTS 02 もがく建築家、理論を考える 東京大学出版会 Amazon 東京大学建築学専攻 Advanced Design Studiesというグループによって編集されている本の第2弾。2017年に刊行されたもの。丹下健三を日本の現代建築におけるひとつのオリジンとして捉え、丹…

エルンスト・H・ゴンブリッチ 『若い読者のための世界史』

若い読者のための世界史(上) - 原始から現代まで (中公文庫) 作者:エルンスト・H・ゴンブリッチ 中央公論新社 Amazon 若い読者のための世界史(下) - 原始から現代まで (中公文庫) 作者:エルンスト・H・ゴンブリッチ 中央公論新社 Amazon ルネサンス美…

稲垣良典 『トマス・アクィナス『神学大全』』

トマス・アクィナス『神学大全』 (講談社学術文庫) 作者:稲垣良典 講談社 Amazon 先ごろ亡くなった日本の中世哲学研究の大御所による本なのだが、まず、タイトルがあんまりよくない。このタイトルだったらどう考えても「『神学大全』の概説書」的なコンテン…

『ブロックチェーン技術概論 理論と実践』

ブロックチェーン技術概論 理論と実践 (KS情報科学専門書) 作者:山崎重一郎,安土茂亨,金子雄介,長田繁幸 講談社 Amazon 「そろそろブロックチェーンがなんなのかわかっておく必要がある……」と思った調査隊は、ライトな解説本の暗号資産って儲かりますよ的…

坂口恭平 『坂口恭平躁鬱日記』

坂口恭平 躁鬱日記 (シリーズ ケアをひらく) 作者:坂口 恭平 医学書院 Amazon 先月、一気に買い込んだ坂口恭平の著作のストックはこれで最後。最後が一番のヴォリュームでどういう本なんだろう、位置付けが難しい本、っていうか日記、2013年の4月から7月の記…

大塚雄介 『最新 いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン』

最新 いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン 作者:大塚 雄介 ディスカヴァー・トゥエンティワン Amazon 暗号通貨の取引所の人が書いてる本だけあって、大部分が暗号通貨ってこんなに未来があって魅力的な投資先なんですよ、というセールストークみ…

坂口恭平 『現実脱出論 増補版』

現実脱出論 増補版 (ちくま文庫) 作者:恭平, 坂口 筑摩書房 Amazon 一体なんの本なのか、という感じがある。これまで読んだ坂口恭平の本のなかでも最もなんの本なのかよくわからない(が、おもしろい)が、途中でこれは「現実脱出論」というタイトルであるけ…

坂口恭平 『cook』

cook 作者:恭平, 坂口 晶文社 Amazon 小学生の夏休みの自由研究のような体裁、手書きの文字と写真で綴られる料理日記。読んでいてとてもお腹が減ってきて、思わず台所に立った。

吉田豪 『サブカルスーパースター鬱伝』

サブカル・スーパースター鬱伝 (徳間文庫カレッジ) 作者:吉田 豪 徳間書店 Amazon なにかの参考になるかと思って買ってたが、読み始めたころには元気になっていた。

坂口恭平 『土になる』

土になる (文春e-book) 作者:坂口 恭平 文藝春秋 Amazon ベルクソン、ドゥルーズ。土と触れ合うことで生まれる生成変化。流れるような言葉のテクスチュアが千葉雅也のそれと似ている。