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文化的消費活動の日記

濃密にぼんやりするためにバーにいくことについて

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高級シングルモルトばかりが日本のウイスキーじゃないってことで。ホワイトオーク あかし。こないだバーで「スッとハイボールで飲めるウイスキーを」と頼んだら出してくれた。柔らかい甘みがとても素晴らしいし、安い(これで1200円ぐらい)。

駅と家とのちょうど中間ぐらいに小さなバーがある。地元の人か近所で働いている人しかこない地域密着型のバー。月に1度か2度、仕事終わりに立ち寄って、丁寧に注いでくれるハートランドをまず飲み、それからウイスキーとかロングドリンクを飲んで帰る。

2軒目のお客さんで賑わっていることもあれば、客が自分しかいないこともある。滞在時間はいつも1時間ぐらい。店では好きなだけ煙草が吸える。たまに他のお客さんと話したり、マスターからお酒のうんちくや家で持て余しているハードリカーの上手い飲み方を教わったりするのだが、大抵は、ひとりで黙って煙草を吸いながら、ケータイやカウンター越しに見える無数の酒の瓶をぼんやり眺めて過ごす。

バーに行く理由なんか人それぞれだろうけれど、わたしの場合は、ほとんど、ぼんやりするために行っている、と言っても過言ではない。

月に1度か2度のこの1時間が、リフレッシュするのにすごく役立っている、と最近になって強く感じる。家で好きな音楽聴きながら、あるいは好きな本を読みながら、お酒を飲んでいるのとはまったく違う、濃密なぼんやり時間、それが身体や心のこわばりを穏やかにしてくれる、ような気がする。

ホワイトオーク 地ウイスキーあかし 500ml

ホワイトオーク 地ウイスキーあかし 500ml

 

 

妻の誕生日ディナー

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こだわり野菜のサラダ ブルーチーズのドレッシング

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白子のポワレ 焦がしバターのソース

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真鯛のポワレ オマール海老のソース

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イノシシのロースト

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誕生日おめでとうございます!

妻の誕生日を祝うため、代々木のビストロ・ダルテミスへ。経営方針が変わってメニューも少し変わったそうだけれど、料理はむしろパワーアップしている気さえする(名物のブーダンノワールが無くなったのは残念)。ごちそうさまでした。

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南仏の白、落ち着いてて美味かった。二杯いただく。

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ブルゴーニュのシャルドネ。これ、普通に食べるブドウみたいで美味かった。

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ブルゴーニュのピノ・ノワール。軽やかでフルーティだけれども、トゲトゲしたところがなくて良かった。

ワインは珍しく白をメインに。食後酒にシェリーを2杯。

フリードリッヒ・エンゲルス 『空想より科学へ: 社会主義の発展』

 

空想より科学へ (岩波文庫 白 128-7)

空想より科学へ (岩波文庫 白 128-7)

 

 マルクスの『資本論』は途中で読むのを辞めた軟派ものですが、エンゲルスのこの本は薄いし、サクッと読める。個人生産が資本主義到来によって組織化されたけども、これからはプロレタリアートが権力を奪取して産業を全部国有化して、真の自由な状態を作ろうゼ!的な。哲学者の名前がたくさんでてきて、岩波の色でいったら青っぽくもある。

『コーラン』

 

コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1)

コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1)

 

 

 

コーラン〈中〉 (岩波文庫)

コーラン〈中〉 (岩波文庫)

 

 

 

コーラン 下 (岩波文庫 青 813-3)

コーラン 下 (岩波文庫 青 813-3)

 

 井筒俊彦訳による『コーラン』を読み終える。訳者による『『コーラン』を読む』の内容を思い出しながら。この本が神との契約に関する本であること、商人文化のなかから生まれてきた宗教であること。これらを押さえながら読んでいくと、この聖典が、先行するユダヤ教キリスト教聖典とどういったキャラクターの違いを持つのかがわかってくる。旧約聖書新約聖書の登場人物も盛んに登場し、さながら先行する聖典の二次創作的な雰囲気もあるのだが、あれをするな、これをするな、という戒律の盛り込み方が、とにかく多い。そして、しちゃいけないことをするとどうなるか、つまりは、神との契約不履行(というか神に対する債務不履行に近いか)の場合、どういう目に合うかまでしっかり書いてある。

ここに書かれた内容のどこまでが現代のイスラム法に反映されているのかわからないけれど、結婚・離婚に関する部分とか普通に面白い。訳者が解説で「物語性に欠けるので旧約聖書新約聖書のようには読めない」と書いているのだが、異文化に触れるためのテクストとしてかなり興味深い本だと思う。旧約聖書の登場人物たちやイエス、聖母マリアが登場しているところを読むと、ユダヤ教キリスト教のレガシーをどれほど引き継いでいるのかも推し量れる。

あと面白いのは、井筒がこの翻訳にどういう思いで取り組んだのか。「翻訳不可能なものをどんな風に日本語化するのかにめちゃくちゃ悩んだ」と上巻、下巻の解説で触れている。ちょっとね、この文章がまるで日本語ロック論争みたいで。そもそもコーランの翻訳自体がイスラム法で禁じられているらしいんだけれど、それを偉い学者に聞いたら「翻訳はダメだけど、コーランの日本語解説として出したら大丈夫」と言われたというエピソードも面白い。

関連エントリー

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鹿島茂 『パリの秘密』

 

パリの秘密 (中公文庫)

パリの秘密 (中公文庫)

 

 鹿島茂が「歴史探偵」となってパリに残された建物や地名に隠された秘密を紐解く、という本。有名な観光スポットにフォーカスを当てているのではなく、パリを歩いていてちょっと目につくもの、あるいは、歴史的なパリの街並みに紛れてしまって全然注目されないものを多く取り上げているのが楽しい。かなりマニアックな観光ガイドとしても読めそう。知ってる建物、行ったことがある建物がでてくると、嬉しいものです。いつか4度目のパリに行く機会があったら、振り返りたい一冊。

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ルー・テーズ 『鉄人 ルー・テーズ自伝』

 

 16歳でデビューし、74歳まで現役を続けたプロレス界の「鉄人」、ルー・テーズの自伝。プロレス・格闘技関連の本には基本あまりハズレがないのだが、本書も面白かった。デビューが1933年、現役最後の試合が1990年だから、戦前から20世紀末までプロレス界に身を置いた人物の話なので、面白くないわけがない。戦前のアメリカのプロレス業界が、戦後に組織が統一されていき、テレビの登場によってプロレスの内容自体が「テレビ映えするもの」へと変遷していくところが読み取れる点がとても興味深い。一種の歴史書、とも言えよう。

テーズ自身は結構地味、と言えるほど真面目な人っぽい感じが伝わってくるもの良かった。怪我で長期休場を余儀なくされているあいだに養鶏場でアルバイトをしていた、とか書いてあって。すでに世界王者を経験しているレスラーが、一生懸命ブロイラーを育てていた姿を想像すると、かなり楽しい。

なお、本書はプロレス・ライターの流智美による「翻訳」という体裁をとっているが、翻訳者がかなり内容を改変している部分があると思われる(現役晩年から不自然なほど日本のプロレス界とのつながりがフィーチャーされていたりする)。テーズ自身が自費出版した自伝を元にしているらしいのだが、翻訳権の記載などどこにもなく、かなり謎。

ビール批評 名古屋のクラフトビールに感心する、の巻

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#beercritic サッポロ / ビアサプライズ 至福のコク 度数6.5%でかなりボディが豊か。でも、それだけ、という感じ。

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#beercritic 盛田金しゃちビール / ヴァイツェン ひょっとするとソニーのファウンダー、盛田昭夫さんの実家がらみのビールか? 酵母から醸し出される濃厚なバナナ香、クリーミーな口当たり、秀逸な一本です。 @healthyboy さん、 @yo38shida さん、ありがとうございました! 早速いただいてます。

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#beercritic 盛田金しゃちビール / ペールエール これもしっかりと美味しい、ちゃんと作っているビールだ。苦味に独特な香ばしさを感じる。ゆっくり飲みたい一本。

名古屋のクラフトビールの店で他にも飲んだけれど、それも美味しかった。