先月初めて息子をつれて福島まで帰省した。実家には父と母と祖母(息子にとっては祖父母と曽祖母)がいて、ずっとだれかにかまってもらっていたせいか、2泊して自宅に帰ってきたら、急に声が大きくなったり、発音できる音の種類が増えたりして驚いた。寝返りもする。
つくづく育児は消費だな、と感じている。以下に息子が生まれてから買ったものを思い出せる限り記してみる(紙おむつとかおしりふきだとかの消耗品や子供服以外のもの)。
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こんなにバカスカと買い物している時期がこれまでにあっただろうか。妻と一緒に暮らしはじめたときも一人暮らしで使ってた家電をそのまま使っていたし、マンションを買ってからも家具は結構じっくりと揃えていった。それと比べると《狂騒の20年代》ぐらいのテンションでモノを買いまくっている気がする。
人からすすめられて買ったものもあれば、便利だと聞いて買ったものもある。買ったけどまったく使わなかったものもある。オーボールなんかは、他所の家の子供がもっていたのをさんざん目にしてきていて「ベビーカーについているよくわかんないアレ」ぐらいの認識だったのが「自分が買う立場になっている!」などとやや感慨深くなった。
このなかには、もしなかったとしても育児がまったく成り立たないものも含まれている。あえてラカン的に言えば、他者の欲望によって突き動かされている感じがしないでもない。さらに言えば、資本主義に完全に組み込まれている。育児で必要になったから購入する、のではなく、育児にはこういうものが必要なんですよ、とプログラムされているこの感覚。
「エルゴにするのか、ビョルンにするのか」などの問題は我が家でも悩んだけれども、これだって必要よりも先に悩みが発生する感じであった気がし、育児文化産業(これはホルクハイマー & アドルノだが)によって支配されているのだ、俺は、と思った。
ただ、それが嫌なわけではなくて。むしろ、わたしは物を買うのが大好きな消費人間だから喜んで買ってしまう。また、息子のためにお金を使ってあげる。これがなかなか楽しいものなのだった。父ちゃん、頑張って働くよ、という気持ちにもなる。労働意欲が消費によってドライヴされる。資本主義の奴隷、消費は麻薬。