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文化的消費活動の日記

土屋健二 『サッカー・フットサルかんたんリフティング入門: 毎日15分、1カ月で誰でも連続50回できる!』

 

サッカー・フットサルかんたんリフティング入門―毎日15分、1カ月で誰でも連続50回できる!

サッカー・フットサルかんたんリフティング入門―毎日15分、1カ月で誰でも連続50回できる!

 

サッカーボールを買った日記でも告白しているが、わたしは一切のサッカー経験をもたない。それ以前に運動神経がマイナスレベルの父親なのだった。さすがに申し訳ねえな、なんかカッコ悪いな、と思ったので*1、まずはリフティングを身につけたい……という気持ちで教本を。本書はDVDがついててわかりやすく、また練習方法以外の心理的な応援メッセージ(最初できなくても、ブレークスルーがやってきて必ずできる日がくる!)もあり心強い。

ボール パール(青)

ボール パール(青)

 

室内ではこういう柔らかいビニールボールを空気抜き気味にして練習してます。やってみるとこれも結構汗をかくし、体幹を使う動きなのがわかる。自分でやってみると、ほー、サッカーってこういう筋肉を使うスポーツなのだなぁ、っていう新たな理解が生まれたり。毎日15分、リフティングの練習をするのはさすがに難しいのだが、マメに練習を続けてみたい(続くかな……)。

*1:サッカーやりたい、って息子が言いだしたら、サッカー教室につれていく、というアウトソーシングもあるのだろうけれど

生まれてはじめてサッカーボールを買ったんだ日記

https://www.instagram.com/p/BzkDgNFj17t/

外で遊べそうな天気だったこないだの休日、近所のスポーツショップでサッカーボールを買って息子と遊んだのだった。もうすぐ2歳なんです、と店員さんに伝えると「3号球ですね。軽くて柔らかいタイプが骨が柔らかい時期の子供にもやさしくていいですよ」とオススメされて、そのまま。

小一時間ぐらい公園で、息子にパスしたり、ドリブルさせてみたり、また、大人気なくドリブルで何度も息子を抜き去ってみたり(ボールに何度か触れない瞬間があると、イラッときているのがわかる)。軽く汗をかくので自分も運動になって良い感じ。

息子が本格的なサッカーボールを触るのは初めてだと思うし、自分も20年ぐらい触ってなかったかもしれない、というか、自分でサッカーボールを買ったのはこれが初めてである。親子で初めてのサッカーボール記念日。

一緒に空気入れも買った。サッカー経験がないのでYoutubeなどを参照しながらサッカーを教えられるようになりたい。


<小学生・サッカー初心者の練習法>親子でトライ!サッカー教室【第1回】ドリブル ①ドリブル

佐宗邦威 『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』

 

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

 

Vision Driven」、つまり妄想からビジネスを駆動させようという思考法について。いろんな先進的なビジネスマンが指摘していることだと思うけれど、とにかく今の世の中は変化が激しいから予測できない、データとか集めても当てにならなかったり、意思決定に時間がかかったりしてイケてない。そもそもデータがないようなものを作らないと新しいビジネスなんかモノにならない。だからこそ、妄想からはじめる必要がある。本書では、妄想をどのように生み出し、それを育て、現実にしあげるのかが紹介されている。「思考を自由に動かすための余白が大事」とか「毎日決まった時間に手書きのノートに向かい合え」とか松浦弥太郎も同じことを言ってたな、と。

松浦弥太郎 『ほんとうの味方のつくりかた』

 

ほんとうの味方のつくりかた (ちくま文庫)
 

「ていねいおじさん」による仕事論・生活論。これまでに読んできた松浦弥太郎本との内容の重複が著しいが「なにも読みたくないが、なにか読みたい」気分を満たしてくれる。読んでたら「声がかかるのを待つのではなく、自分のほうからまず動く」と、こないだ自分の部下に言ったばかりの言葉に出会ったり。ハラスメントを回避しながら説教するための指針としても、こういう柔らかい本は良いのかも。やさしく言っていく。

New Breed with Takki 『プリンスの言葉 Words of Prince』

 

プリンスの言葉 Words of Prince

プリンスの言葉 Words of Prince

 

ちょっと心に生じた迷いを感じている今日このごろであったため、勇気づける言葉が欲しくて『プリンスの言葉』を。プリンスの歌詞やインタヴューの引用などと合わせて、解釈やエピソードが紹介されている。評論家や音楽ライターによる深い調査のもと書かれた感じではなく、日本の熱心なファンによって編まれた「ファン・ブック」という感じ(同人誌っぽい雰囲気)。それでも、わたしのような『Musicology』ぐらいからリアルタイム、みたいな若干遅れ気味のファンにとっては、興味深い記述が多かった(90年の来日ライヴが地上波で中継されていた、とか衝撃)。

北村紗衣 『お砂糖とスパイスと爆発的な何か: 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』

 

お砂糖とスパイスと爆発的な何か?不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門

お砂糖とスパイスと爆発的な何か?不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門

 

先日ご恵投いただいた本。「フェミニスト批評入門」とタイトルにあるが、思想的/政治的なところを抜きにして優れた文学案内*1だと思う。ポップ、でありながら、文学や批評という知的な営みのなかでどういうことが実践されているのかをキチンと説明してくれている。「フェミニスト批評」という文言で「読まない」という判断をしている人がいるとしたらもったいない。わたしみたいに「文学部/文学研究ってなにやっているか実はよく知らない」、「批評もそんなに読んでない」というタイプの人間にはありがたい教育的な内容とも思う。

著者の専門とする英文学が中心に取り上げられている。このラインナップが見事にわたしの読書遍歴とかぶっておらず、いかに自分が英文学をスルーしてきたかに改めて気付かされる*2のだが、『嵐が丘』やシェイクスピアといったクラシックに対しても、前述の通り、ポップな面白さを引き出しているところに、本書のガイドブックとしての価値を感じる。エラいもの、真面目に取り組まなくてはいけないもの、構えなくてはいけないもの、と思われがちな古典を、時には下世話とも言える視点で、ポップの舞台に引きずり下ろしてくれるところが良い。

なお、本書、わたしの名前が印字された本のなかではたぶん一番売れてるんじゃないかろうか。

 

*1:取り上げられているのは映画や舞台も含む

*2:それは改めて北村さんとわたしの趣味の違いを気づかせるものだったかも知れない。北村さんはThe Smithsモリッシーが嫌いだとどこかで書いてたと思うが、わたしは大好きである

川上未映子 『乳と卵』

 

乳と卵 (文春文庫)

乳と卵 (文春文庫)

 

芥川賞受賞作。今度出る新作『夏物語』は本作の登場人物がでてくる、とのことで予習のために。表題作について。文体は「女の町田康」みたいで、初期のエッセイとの連続性を感じ、実はそれが割と苦手なのだが、クライマックスに起こる、もう、これはエモいとしか言いようがない感情のぶつかり合い、論理的な物語的説明を拒否するような盛り上がりにグッとくる。卵。その象徴的意味、記号的な意味を問うこと、なんで? という問いかけを無意味にさえ感じさせる圧倒的なイベント。書かれていない勢いを感じさせるのは、文体の力なのか。見事に女性しか物語らず、女性の身体の不都合さへとフォーカス。フェミニズム。その社会的な問題提起よりも、積み上げられたロジックがクライマックスでめちゃくちゃになってしまう、めちゃくちゃのなかで問題がなぜか解消してしまう、その力を言祝ぎたい(言祝ぐ、って言いたいだけ)。積み上げからの逸脱する瞬間の快楽は、『ウィステリアと三人の女たち』でも良いな、と思った。