もう10年以上の付き合いである友人のフミコさんの新刊(改めてご恵投ありがとうございました*1)。またタイトルから大きく出たな、という感じで苦笑を禁じ得なかったのだが、本文一発目の文章が「この本を手にしたあなたは本当に運がいい」と煽ってくるので本当に声をあげて笑ってしまった。どこまで煽るのか、と。
もはや思い出話の類になってしまうけれど、10年以上前にフミコさんはある覆面作家の中の人を自称しており、それが嘘とも真ともとれるほどにハマっていた……つまりはすごい文才の人であったわけだが、その勢いを10年以上保ち続けているインターネット怪人である。怪人、フミコフミオ*2。
要するに、もう書くことが生活の一部になっちゃっている人であるわけね。そういう人が書くことの効用とテクニックを面白おかしく語っているのが本書。自分みたいにだれにも頼まれず、大して読まれることもなく(読まれるつもりもなく)とくに有名になることもなく書き続けている人間にとっては、肯定を与えてくれる内容だと思う。というか、また古参めいた物言いになってしまうけれども、フミコさんの文章がビジネス書のテイになっていること自体が一種のケミストリーのように思われてしまう。ちゃんとしている。書くことで自由になる、あるいは書くことは自由であること、または自由に書くことを教えてくれる。
*1:本書にもフミコさんと結成したバンドのことがちょっとでてくる。どういう経由でフミコさんとバンドを結成することになったのか、その経緯がちょっと思い出せないのだけれど、2008年にバンド結成の報告記事が書かれている。オフ会かなにかがあり、そこで盛り上がってスタジオに入ることになった……のかもしれない
*2:管見の限り、フミコさんと同じくらいのブログ継続力を誇るのはほかにココロ社さん、それから仙台の畏友、tdさんぐらいである