ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。
- 作者: フミコフミオ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/09/27
- メディア: 単行本
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まずは、ご恵投いただいたことへの感謝を(ありがとうございました)。インターネットを通じて出会ってもう10年ぐらいかそれ以上のお付き合いの友達がこうして単著を出されてブレイクしていることは、フミコさんの前歯がブレイクした瞬間に立ち会った者として大変うれしく思っております。
一体どういう本なんだろう、どういう切り口で紹介したら良いんだろう、と読了して少し悩んでしまうような本。自己啓発本ではない(章のタイトルや見出しのタイトルは無理やり自己啓発っぽい感じになってるけども)し、役立つ情報があるわけでもない。あるのは普通の会社員・管理職・配偶者にいろいろと握られてしまっている男性のボヤキである。
その一方で、矢継ぎ早に繰り出される引用フレーズの面白さや文章のキレはブログと変わらずだ。「よーく考えよう お金は大事だよ」とか、コレなんだっけ……と思ってしまう部分も多々。調べたら15年ぐらい前のCMが元ネタで「これ、ギリギリ通じないんじゃねーの」とツッコミたくもなる*1。ところどころで同じ会社員としてめちゃくちゃわかる部分があって、そこも良かったな*2。
フミコさんの本、開いた瞬間にブコウスキーの引用があってカッコ良すぎて吹いてしまった。 pic.twitter.com/Pq1PvfQYuW
— mstk (@mk_sekibang) September 30, 2019
「なんなんだろう、この本」といういわく言い難い感じは全然収まっていないんだけれど、それがフミコさんという人の本質、とも言えるのかもしれない。本文中では「普通の会社員・管理職・配偶者にいろいろと握られてしまっている男性」として一貫しつつも、見返しにいきなりブコウスキーの引用(あとがきでもブコウスキーへの言及がある)があってカッコ良すぎるし……。