菊地成孔が有料コンテンツで公開していた日記コンテンツの書籍化。全部、日記、というのは意外にも(?)これが初めての著作なのではないか、と思うのだが『スペインの宇宙食』や『歌舞伎城のミッドナイト・フットボール』を夢中で読み、そして無料で読めた公式サイトの日記を毎日(のように)楽しみにしていた「あの頃」を思い出させてくれるような、懐かしい感じ。ワインや食事に関する講釈めいたテクストを読んでいて、思えば遠くに来たもんだ(この価値観にどれほど大きな影響を受けて、これまでやってきただろう)みたいな気持ちにもなる。恥ずかしながら、こういうものを読んで、大人になってきました。
