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文化的消費活動の日記

北村紗衣 『批評の教室: チョウのように読み、ハチのように書く』

文学部的な読み方(作品鑑賞の仕方)を学べるやさしい入門書。非文学部に在学中の批評に興味がある学生向けに適したコンテンツのような気がする。気がする、というのは自分も文学部出身ではなく、学生時代に文学関連の講義を完全にスルーしてきているから、文学部でどんな学びがあるかよくわかってないからなのだが、読むため、書くための手法の効果と注意点を細かく教示してくれる。ありがたい本ではあるのだが、一方で、批評って大変ね、という気持ちにもなってくる。本書でも、批評的な受容がそうでない受け取り方よりも優れているわけではないと語られているけれど、書く大変さを目の当たりにすると、俺なんかは「批評じゃなくて良いや」と思ってしまう。そういう意味では、批評が創造的な行為であることを改めて考えさせてくれる本でもある。