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文化的消費活動の日記

川勝正幸 『丘の上のパンク: 時代をエディットする男、藤原ヒロシ半世紀』

 

2009年、藤原ヒロシは当時45歳のときに刊行された「半生記」。筆者の前書きでもベンヤミンの『パサージュ論』が引かれているが、さすが藤原ヒロシ、バイオグラフィ的な本が作られるとしても一筋縄では行かない、というか奇書に近い作り。本人のインタヴューや過去の執筆記事からの引用、さらには周辺人物のインタヴューや藤原ヒロシへの言及を切り貼りして編まれ、浩瀚ともいえるヴォリュームとなっている。80年代の東京のカルチャーの歴史にも繋がりながら、現代のストリート・ファッションの古層を掘り出してもいて面白い。