sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

2021年7月2日、あるいはバーチャルと神経症

起床

6時過ぎ。筋トレ、肩、上腕三頭筋。天気が悪くて寝室に光が入ってこないせいか、Hが起きてこなくなる。

ピエール=ロラン・エマール / ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第29番《ハンマークラヴィーア》ほか

 エマールの新譜がでていたので聴きながら仕事。なんか最近はまたクラシックが聴きたい気持ちになっている。ソナタよりも《エロイカ》変奏曲が良かった。

 ランニング用の長袖シャツのセール連絡があったので注文(色はブルー)。The North FaceのTシャツはたけえな、と思うのだが、すぐ乾くし、着心地も良い。

電話の仕事があったり。集中していたが、ハイレゾで音楽を聴くためのオーディオインターフェースについて調べてたら時間が溶けた。

 これを買ったらハイレゾできるらしい。ソフトウェアのイコライザーで音を変えられちゃうとかで、そんなのでチューニングしてたら時間が完全に吸い取られてしまう、と思った。しかもイコライザープラグインでいろいろ追加できる、という。探求が終わらないでしょ、それは。基本的なスタンスとしてはあんまり機材を増やしたくないし、調整の余地とかもいらない、機材の素の音を正解として聴きたいという気持ちなのだが、ソフトウェア化されることで一気に選択肢が広がってしまう。こうなるとアンプに機器をつないでいくのではなく、こういうオーディオインターフェースからパワードスピーカーにつなぐ、っていうのがシンプルな構成で正解な感じもする。

www.mfjtokyo.or.jp

この講演までに仕事を終える。ご飯を食べながら聴講。面白かった。糖質ゼロビール。泡盛

ストレッチ。風呂。

昼間、かなり根を詰めて仕事したので書く気にならず。映画を観る。

リドリー・スコットブレードランナー

 実は観たことなかった映画。観ているあいだにレムの『ソラリス』と話がごっちゃになってることに気づいた。なんかマルクス・ガブリエルみたいな話だと思う。

 時計の雑誌の第2号が出ていたのに気づいて注文。

2021年7月1日、あるいは雨の合間

起床

6時過ぎ。筋トレ、背中、腹筋。7月だ。

 先日亡くなったジョン・ハッセルのレコードについて坂口恭平さんがTweetしていたので注文する。結局、レコードか本ぐらいしか欲しい物がないんだな……。

Corneliusのリミックス仕事を集めたプレイリストを作って聴きながら仕事。

 
 
 
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一日中雨という感じなので、ランニングは諦める。関節を休める日、と考えよう……と思ったらいいタイミングで雨が止んだので5km。そういえば先月は走行距離95kmだった。

夕食とともに糖質ゼロビール、泡盛

ストレッチ、風呂。

sekibang.hatenadiary.com

 読了。プルーストにあやかってMacの壁紙をフェルメールの風景画に変えた(現存するのは2枚。『デルフトの眺望』と『小路』)。

次。これもだいぶ寝かしてしまった……。 

小説は2000字ほど書く。

『プルーストと過ごす夏』

 

元になっているのはプルースト研究者や批評家たちが自分の関心に寄せながら『失われた時を求めて』について語る、という2013年に放送されたフランスのラジオ番組らしい。素敵な番組だ。日本でも『源氏物語』とかヴォリュームがある本でやってほしいが、そんな番組は長いヴァカンスがあるからこそ文化的・生活的にマッチするのかもしれない。

「本国フランスでベストセラー! プルースト入門の決定版」と帯にはあるが、果たしてどうか。当然のことながら、あの長大な作品を読み通した人のほうが面白く読めるには違いなく、というか、まだ未読で興味あるんだったらさっさと集英社の鈴木道彦の訳で良いから読め!(解説があるなら入門的なテクストとしてはそれで十分だろ!)と思う。

良いなと思ったのは、各論者がプルーストの面白い部分や良い部分だけを抽出してくれているので、読者を悩ませるあの社交界のややこしい話や、ドレフュス事件がらみの記述などのダルい部分を読まずして「そうそう、そこが面白いんだよね」と確認できる点。なるほど、プルースト論の楽しみ方として、そういうのはあるな、って思う。再読しないで再読した気分になる、っていうか。

改めて思ったのは「プルーストはどこから読んでも良い」って書いてる人が多々いるけど(本書の訳者もあとがきにそう書いてる)それも大嘘だよな、ってことで。やっぱ頭から素直に読んでいくのが一番面白いよな。もう2周してるけど、また最初から読みたくなってきた。Kindleで新しい訳が全部出てほしい。

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2021年6月30日、あるいは『アメリカン・ユートピア』

起床

6時前。やはり足の裏、ふくらはぎの筋肉痛がやや強めに出ている。筋トレ、胸、上腕二頭筋、腹筋。

ぽかっと予定が空いてたので仕事道具をカバンに詰めて外にでかける。

スパイク・リーアメリカン・ユートピア

デヴィッド・バーンのパフォーマンスを映画化した作品。このミュージシャンについては、Talking Headsの『Remain In Light』、イーノとのコラボレーション、あとカエターノとの共演ぐらいしか熱心には聴いてなくて……って感じで、そこまで俺は熱心なリスナーではないのだった(一番好きなミュージシャンにデヴィッド・バーンをあげる人も会ったことないが。そこには言語の壁もありそうだ)。正直「リベラルなインテリで自転車大好きのミュージシャンでしょ」っていう雑な理解でこれまで聴いてきたけれど、その理解がバッチリ正解だったことが映画を見てわかった。さらにいえば、そのデヴィッド・バーン性(デヴィッド・バーンネス)が最高だ! って思える傑作!
そこにスパイク・リーの作家性が掛け合わされることで映画は更なる強度を持ちはじめる。ジャネール・モネイのカヴァーを演奏しているとき、エンディング以外ではここしかない劇場の外部の映像が挿入され、それが観るものの感情を大きく揺さぶる。
編集も素晴らしい。おそらく2つか3つぐらいの公演の映像に、客を入れないでステージまでカメラを上げて撮った素材を繋いでいるのだが(素材の違いは、デヴィッド・バーンの髪の乱れ具合でわかる。整ってるときと、前髪が垂れてるときと、全体的に乱れているとき。カットが変わると急にデヴィッド・バーンの前髪が整っていたりする!)ギクシャクした感じが一切なく、一晩のパフォーマンスだと錯覚させるような仕上がりだ。劇中でデヴィッド・バーンが楽器にケーブルを使ってない、という話をしているが、キャメラがほとんど映らない(中盤、客席の(ステージから見て)左端の暗がりにちょっとだけ見切れてるのと、最後の方でちょっと写ってるぐらい)のと対比されるよう。視覚の自由を演出しているようでもある。それが舞台世界への没入を煽る。
本作から要点だけ抽出するなら、白人の年配の男性が皮肉っぽいジョークをかまし、BLMに言及しつつ「未来を変えるために選挙に行ってください(アメリカをユートピアにしようじゃないですか)」とお願いする映画になるのだが、それがなんと痛快な作品になるのか!

帰りに髪を切ったりする。映画はパルコで見たのだが、ちょうどパルコの目の前に坂本龍一が使っているメガネを売っている店があり、試着しにいってみた。似合ってはいたがもう少し顔が老けないと、売れてないお笑い芸人みたいでダメだな、と思う。

糖質ゼロビールを飲む。その後、フレシネ、泡盛

ストレッチ。風呂。

外を歩いたせいか猛烈に眠くなって寝かしつけのまま寝た。

2021年6月29日、あるいはナポリタン

起床

6時過ぎ。昨日シューズが変わって走りが変わったせいか筋肉痛がいつもと違うところに来ている。筋トレ、腹筋、下半身。朝食にいつも食べてるヨーグルトにとらやのあんペーストを入れてみる。怖くてやってなかったが旨い!

ベランダに出ると山椒がぐったりしていた。また枯らしてしまったか……。

昨晩、新生児遺棄事件について考えていて、厚労省のデータなどを調べてみる。毎年厚労省「子ども虐待による死亡事例等の検証について」というページで、児童虐待による死亡事例の検証報告を実施しているのが見つかる。近年の法改正により母子健康包括支援センターなどの設置がおこなわれているが、まだまだ課題が多いようだ。古い調査になるが平成15年〜22年にかけての新生児死亡事例に関するまとめを読むと、死亡事例のうち実父の年齢がわからないケースが74.6%となっており、異常な感じがする。このあたりの問題関心は、ライターの高橋ユキさんの影響だが、新生児遺棄事件で父親の責任がまったく取り上げられないことが、性の非対称性・不平等を如実にあらわしているように思う。しかし、読んでいてツラくなるレポートだ。「妊娠を他者に知られたくない女性に対する海外の法・制度に関する調査研究報告書」、これも一読に値する。 

Hiatus Kaiyote / Mood Valiant 

今年の上半期最後の話題盤って感じか。新世代のネオ・ソウル。なんかそこまでグッとこない。

 
 
 
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5km。帰宅して昼食は冷凍のナポリタン。弁当の横に鎮座してるあいつを拡張したような感じで、美味くもなく、まずくもない、でも、なんかちょっと嬉しい。ナポリタンのちょっと嬉しい感じってなんなんだろな。

夕方、糖質ゼロビール、からのフレシネ。

ストレッチ。風呂。

sekibang.hatenadiary.com

読了。 

次。 

小説は2000字ほど書く。なにげなく調べ物をしていたら、超面白い話がでてきたのでまるごと小説に取り込んだ。

『よくわかるやきもの大事典』

 

 大変良い本。類書はいろいろあると思うが、日本の各窯元の歴史から現代に販売しているものの特徴や、食事を盛り付けた際の使用例をフルカラーで紹介し、さらには中国・朝鮮・ヨーロッパの陶磁器まで取り上げている(これで中東の陶磁器までカバーしていたら120点だった)。とくに窯元の歴史での記述では、生産された陶磁器の主な消費者が誰だったのかを細かく書いているのが良かった。たとえば17世紀後半にオランダ東インド会社によって盛んにヨーロッパに運ばれた伊万里柿右衛門。そのデザインがマイセンで模写されて……といった東西の交流史が面白い。写真も多いので陶磁器の文様に狩野派の意匠が組み込まれていくのがわかったりして良い。あと尾形乾山尾形光琳と兄弟だったと知って、その兄弟すごすぎ、って思った。

2021年6月28日、あるいはフレシネ

起床

6時前。昨日の食べ過ぎでむくみがすごい。胃腸の調子も良くない。内臓が疲れちゃっている感じ。筋トレ、肩、上腕三頭筋

幼稚園へ。

The Nat Birchall Quartet / The Storyteller: A Musical Tribute to Yusef Lateef 

 昨日の「Barakan Beat」で流れていたもの。イギリスのジャズ・ミュージシャン、ナット・バーチャルによるユセフ・ラティーフのトリビュート盤。昨日はこのアルバムから「りんご追分」が選曲されていた。スピリチュアル・ジャズ化した民俗音楽って感じでかなり良い。

 
 
 
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仕事の合間にちゃっと金継ぎも仕上げる。微妙に粉が蒔けてないところもあるのだが、まあ良しとしよう。

 
 
 
 
 
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5km。金土日で水分や塩分を取りすぎたのでランニング後の体重が金曜日からプラス1.2kg(64.3kg)。

夕方、買い物へ。ラジオでジョン・メイヤーの最新曲が流れていた。すぐに思い出せず「なんだっけ、この曲。80年代バンドだ……」って存在しない80年代のヒット曲の記憶を探してしまった。制作者の狙いが完全にハマっている。しかし、ジョン・メイヤーでさえ、こういうオタク向けとしか思えないアルバムを作ってるんだから、すごい時代な気がする。

幼稚園へ。「トイレ平気?」と聞いたら、「平気じゃない」というのでコンビニ寄る。ビールを買って飲んだ。

帰宅してフレシネを開ける。甘い砂糖水のような炭酸のお酒。普通に好き。チューハイとかは一切飲めないのだが。夕飯はエリックサウスの通販のものを出していただく。スパイスパワーで、たくさん炭水化物を食べてしまった。

ストレッチ。風呂。

小説を書く。考えながら書いてるのであんまり進まない。初期の村上春樹がどんな風に小説を書いていたのか確認しながら作業してみる。1000字弱書いた。

 「メロ夜」へ。