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文化的消費活動の日記

向田邦子 『阿修羅のごとく』

向田邦子の脚本をノベライズしたもの。谷崎潤一郎の『細雪』をベースに書かれてるんじゃないかと思うのだが、同じぐらい面白い。これを読んで森田芳光が監督した映画が前半部分だけだったことを知り、かつ、この映画版のキャスティングの素晴らしさがわかる。とくに滝子 = 深津絵里のハマりかた。深津絵里のヴィジュアルで、中嶋朋子の演技をしてたらすごかっただろうな、と思う。しかし、それ以上に素晴らしいと思ったのは、中村獅童の勝又で、このホンにおけるキャラクターを過剰なまでに表現していたことを思い出す*1

 

*1:中村獅童もいろんな不祥事やいろんなイベントがなかったら、もっともっと幅がある役者として活躍できただろうに、なにか許せないものがある存在である