土井善晴先生の連載をまとめた一冊。ローカルな食や伝統的な製法で作られた食材などをもとめて土井先生があちこちを訪問する食・紀行。東海道新幹線・山陽新幹線のグリーン車で配布されている冊子で連載されているものだそうで、なかなか高度なアクセシビリティが求められる文章であったわけだが、そのようなものがこうして広く読めるようになったのはありがたいこと。媒体の特質もあってか取材場所も関西・中国が多いのだが、いろいろと学びが多い。土井先生も旅のなかでいろいろと学び、発見をされているのだが、その学びが一般にも学びでないわけがない。茹で落花生は煎り落花生とはちがう品種であるとか、へえ〜! と思う。写真もいちいち良くて、なかでも岡山の焼き牡蠣の写真は食欲をかきたてられた。
テーマを絞って、あれこれ予定や目的地を詰め込まずに、余裕を持たせた旅、っていうのも楽しそうだ、みたいにも思う。