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文化的消費活動の日記

安達裕哉 『頭のいい人が話す前に考えていること』

 

部下の代わりに読むビジネス書のシリーズ、的なもの。課題を整理する方法や、良いコミュニケーションをとるための大原則的なものがわかりやすく説明されていて良い本なのだが、そうした教育的な内容以上に、本書で紹介されている「頭が悪い人」の例にリアリティがありすぎて衝撃を受ける。「コレ、あの人じゃん!!!」と具体的な顔が浮かびすぎ、読み終える前からその具体的な人物の上司に「コレを読ませなさい!」と伝えるほどだったのだが「実はもう読ませてるんです」と返事が返ってくるオチがついた。そういうわけで、この本を読めば誰もが「頭のいい人」になれる、という惹句の信憑性は甚だ怪しいのだが、読み手側の問題も多いのだろう。あまりにアレな読み手の場合、書いてあることをちゃんとインプットできない。そうした手合いをいかにマネジメントするのか、これこそが本当の課題なのであって、マネジメントする側がアレな部下たちの思考回路をプロファイリングしてあげる必要があろう。