sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

張源『茶録』/ 許次ショ『茶疏』

16世紀・17世紀、中国の明代に書かれた煎茶道のHowTo本を読む。ひたすら、どこそこの茶は美味い、茶はどうやって煎れるべき、また栽培や収穫のタイミングなどについて書かれており、茶を美味しく飲むことにかけての神経症的な情熱が感じられる内容で面白い。海原雄山の美食倶楽部みたいな感じである。たとえば茶の保存法についての箇所では、お茶は湿気に弱いので茶壺はしっかり密閉するようにして、普段使うときは使う分だけ小さい茶壺に移しておくこと、という指南がある。ここですごいのは、この茶壺to茶壺を移す際の話だ。子曰く、湿気に弱いんだからどうして雨の日に開けることができようか(いやできない)。栗田さんもこれにはビックリだろう。「同じお茶のハズなのに、山岡さんが煎れたお茶は、どこか風味が劣ってるわぁ(その通り、士郎が使った茶は雨の日に茶壺から取り出したものだ)」というやり取りが目に浮かぶようだ。