sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

『成田亨作品集』

ウルトラマンをデザインした成田亨の作品を特撮関連だけでなく、純粋芸術も含めて網羅的に掲載している。かなり高価な本だが、戦後の日本美術の文脈のなかに成田亨を位置づける学芸員や批評家の文章も面白く、ウルトラマンのファンだけでなく広く、アートの観客向けの本になっている。ウルトラマンウルトラセブンの怪獣画のなかでは、最強怪獣ゼットン(しかし、ゼットンって怪獣、なんだろうか。あらためてウルトラマン最終回を確認したりもしたのだが、ゼットン星人(これも劇中にゼットン星人という呼び名は使われない)がやられたあとに青い風船から現れる謎の存在、としてしか劇中では描かれない。こうした説明されない存在であるところも破格である)の絵がしびれるほどカッコ良く、複製が欲しくなるほどだ。先日、青森県立美術館で原画を見たときもすごく良かった。