sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

源河亨 『「美味しい」とは何か: 食からひもとく美学入門』

買ってから『悲しい曲の何が悲しいのか』と同じ著者の本だったことに気づく。分析美学を使って食を美学の対象として捉える、あるいは食という題材から分析美学の営みを紹介する本。書きぶりは非常に『悲しい曲の……』とよく似ていて、食もまた音楽と同様のマルチモーダルな知覚の対象であり、食を言葉によって分析すること/物語ることを擁護する。美学から縁が遠そうな食/料理を美学に紐付ける試みは、一定程度成功していると思うのだが、だからなんだ、的にも思えてしまう。日本維新の会とかに駆逐されそうな「だからなんだ」感。

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