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文化的消費活動の日記

竹宮惠子 『吾妻鏡』

 

「鎌倉殿の13人」から『吾妻鏡』に興味を持ったのだけれども、現代語訳で読もうとすると全16巻(+別巻)みたいな大ヴォリュームになり、数年がかりのプロジェクトになってしまう。たまさか竹宮惠子によるコミカライズの存在を知り、2日間ほどで読了。『吾妻鏡』には記録されていない部分、散逸している部分をほかの史料で補いつつ、頼朝挙兵から鎌倉幕府の終焉までを描いている。ハンサム系のキャラとジジイキャラの顔の見分けがかなり難しいのだが、このヴィジュアライズを「鎌倉殿の13人」はかなり引き継いているのでは、と思える部分もある。改めて源頼朝の非情さ、サイコパスぶりにも慄く内容ではあるのだが、北条義時と対立し後鳥羽院に惹かれている源実朝の心情をその和歌を引用しながら描いているところが面白い。実朝の歌集『金槐和歌集』にも興味がでてきた。