ユニクロの創業者による著作。『一勝九敗』は2003年までの振り返りだったが、本書は2004年から2009年までの振り返り(文庫化にあたって2012年までの年始挨拶メール*1を収録している)。フリースによる大ブレイク以降の話であって「安いけど、やっぱちょっとダサいよね」のユニクロから「ユニクロってなんかもう普通にオシャレだよね(そんなに安くも感じないし*2)」という感じへの移行途中までを追っている。ユニクロのスキニージーンズやブラトップ、ヒートテックといった新商品がどのようにして生まれたかなどの話は、個人的にも懐かしい感じであって「平成の国民服」が生まれたプロセスはまさにこの時期にあったんじゃないか、と思う。
本書のエッセンスはタイトルどおりであって、とにかく「成功なんか早く捨てて、新しいことをやらないとダメ。常に改善していかないと会社は潰れる。安定経営なんかありえない」という話を繰り返ししており、「世間様では成功してると評価されているけど、ウチの会社はココが全然ダメ!」と世の中に向けてダメ出しを全開にしている。著者のため息レベルの上がり方は『一勝九敗』以上とも言える。
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