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文化的消費活動の日記

檜垣立哉 『ドゥルーズ: 解けない問いを生きる』

ちゃんとわかってみたいが、ことごとく跳ね返されてしまう哲学者、というのがいて(大抵の哲学者が自分にとってそうなのだが……)とくにドゥルーズはその代表格とも言える。この入門書もやはり結構難しくて難儀した、が、エッセンスを掴むことはできたかもしれない。「流れを中断することなく生成そのものへと飛び込み、そこで見いだされる流れを語る方法論」「〈かたち〉あるこの世界のなりたちを探るために、〈かたち〉を生み出す見えない力へと、われわれの視線の向きをかえる指標」 。なるほど、と思う。流れは切り出した瞬間、別なものへと変容してしまう、だから、流れを確定するような定点を避けながら、流れを描こうとする……それはわかる。でも、どうやって、というところが読んでもちゃんと理解できなかった。難しい。ほかの本読んで角度を変えたチャレンジが必要そうだ。

なお、ちくま学芸文庫からは増補版がでている(こちらはKindle版なし)。