sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

片岡一竹 『疾風怒濤精神分析用語辞典』

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昨年読んだ本のなかでも個人的にかなり重要な著作だった『疾風怒濤精神分析入門』のまえに書かれた(まだ21歳とかで書いている!)ラカン入門の同人誌(!!)。『入門』のほうは本書よりもさらに初学者向けを目指して書かれたものであるのに対して、こちらは用語ベースで説明が進んでいくので少し難易度があがるか。しかし、フロイトからラカンの全キャリアを、理解しやすい用語の並びで話を進めていく本書の構成は、驚くべき整理と見通しの良さで勉強になりまくった。本当にコレはすごい。ラカンについては「30〜50年代」、「60年代」、「70年代」、「その他」という章立てがおこなわれていて70年代以外はマジで「こういうことだったのか!」の連続(70年代ラカンは自分の勉強が足らず、まだピンと来てない)。あれこれ入門書を読んだけど、よくわからないでいる人が本書の整理を受けるとめちゃくちゃわかると思う。図式やマテームの解説は間違いなく本書の解説が一番丁寧。マストバイ!

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