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文化的消費活動の日記

【2023年ベストバイ】首都圏在住コンサルタント(38)が今年買って良かったモノ

高橋ユキさんのXより。「FASHIONSNAP」は日々チェックしているWebサイトではないのだが、ここ数年自分も「今年のベストバイ」だけはチェックしていた。おもにはサカナクションの人がマルジェラやモダニズムの椅子(ジャンヌレ)を買った話を読んで毎年「ケッ」ってなるのがメインではあるのだが*1、単に人の物欲を覗く愉しみというのもある。

2023年。今年は副業の法人を立ち上げて、いろいろと仕事に使うものを経費で買ったりもしていたので例年よりも買い物をしまくった年だったと思う(レコードや書籍は消化できる量が減ってきてることもあって、あんまり買ってない)。ちょっと「これは買って良かったな」というものを振り返ってみたい。

HOKA CLIFTON9

まず、思いついたのが、HOKAのCLIFTON 9。これを買う前は、New Balanceの998とかAdidasのスーパースターとかスタンスミスとか履き回していたんだけども、これしか履かなくなった。全体的に素材が柔らかいので履きやすく、軽いし、オールブラックゆえの合わせやすさ、そしてこれを履いていれば仕事現場から換えのシューズを持つことなしに直接ジムにいける気軽さが素晴らしい(つま先が上に上がったソールの構造は、デッドリフトなんかやるとき最初バランスがとれない感じがするが、慣れるととくに問題ない)。もちろん、ランニングもできる。デザインに大きな変更でもない限り、このシリーズをずっと買うと思う。

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macpac 3ウェイバッグ

春ぐらい、転職直前ぐらいに買ったバッグ。「ジム用の着替えとPC・仕事道具、通勤中に読む本、その他諸々を入れられる大容量のバッグがほしいぞ」と思って買った。転職した結果、仕事道具とジム用の着替えを一緒に持ち歩くことはほぼなくなったのだが、ノートPCを2台持ち運んで移動するルーティーンが発生したため、大容量さが役立った。電車での通勤で座れたときに膝に乗っけるにはややヴォリューミーなのだが、横置き・縦置きどちらでも安定する作りなので、お弁当でも入っていない限りは、縦において股の間に置いとくとちょうど良い。2泊分の旅行/出張の荷物もいれられるくらいなので、旅行や帰省にも持っていった。デザインは実に味気ない、というか、おじさんが持ってるビジネス・バッグ(のデカい版)であり「あのおじさん、いっつもデカいバッグもってるよね」と言われててもおかしくないのだが、別に良いんです、おじさんだから。ほら、もう、ランニング・シューズで現場行っちゃう時点で、ほら……。

マーガレット・ハウエルの古着のパンツ

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いま、ブランド古着のショップが流行ってるそうで(日本人の貧困化、原材料の高騰による高価格化、90年代再評価、Y2Kリヴァイヴァルなど要因はたぶんいろいろとある)自分の身の回りでも古着ショップのチェーン店が増えていた。お店によってはオンラインショップで実店舗に取り寄せて、試着して、気に入ったものだけ買える、みたいなことができるので、その気軽さ(オンラインとオンサイトをうまく横断させたUXも良い)で随分いろいろと買った。ギャルソンのジャケットとか。そう、ギャルソンなんか、店員さんがオシャレで容易に足を踏み入れられない恐怖心が永遠の田舎者感覚の持ち主には拭い去れないわけで、その点、ブランド古着なら、ほら、怖い店員さんもいないですしね……。で、買ってみると「あー、なるほど、こういう意匠が入っているのか、良いな(富野由悠季もギャルソン着てるのわかるわ)」みたいに発見がある。買ったもののなかでデザインだけでなく大きな気付きがあったのは、マーガレット・ハウエルのパンツ。ミリタリーのパンツをもっとカジュアルなかたちに落とし込んでる感じ。まぁまぁくたびれた感じはあったのだけど、足を通したときに肌に触れるコットンの心地よさがかなり気持ちいい。ドライ・コンパクト・コットンなる生地が使われているらしい。マーガレット・ハウエルは「金持ってるやつが着るユニクロみたいな服」って思ってたけど、こういう生地の良さが高評価を得るのはわかった。

HHKB Studio

これは最近買ったやつ。これを買うためにRealforce for Macを売った。複数台のマシンを同時に使わなければいけない仕事の都合があり、BT接続で簡単に接続先を切り替えられることがめっちゃ便利。ポインティング・スティック(ThinkPadの赤いポッチみたいなやつ)もついているので慣れるとほぼ手元を動かさずに、複数台のマシンを切り替えて操作できる。打鍵感覚も素晴らしく、指先から快感が伝わってくるようだ。Realforceよりも好き。重量はかなりあって持ち運びはダルいのだが、この重さがゆえに安定性と高級感が生まれている。昔のメルセデス・ベンツのような質実剛健さに、日本製品のあれこれ機能つけちゃいました(本体側面のジェスチャーパッドも空いてるスペースになんか機能ねじ込んじゃいました、って感じだ)的なキメラ性を感じる作り。良い製品なんでマニア以外にも売れてほしい。自作とかこだわらず、とりあえず、これで良いじゃん、って製品。そういう一発でキマるプロダクトに出会えると嬉しい。

Apple HomePod

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AppleのHomePodも「とりあえず、これで良いじゃん」って感じの製品(ただし、Apple信者向けではあるが)。HomePod導入前に自宅で192kHz/24bitのハイレゾ・オーディオ環境を整えたりもしたのだが、HomePodの再生の手軽さのほうが勝ってしまい、結果としてハイレゾでのリスニングを全然やってない。そもそもがっつり音楽を聴く時間自体が限られており、HomePodを仕事する定位置からちょっと遠いところに置いて、なにかを流しておく、そのぐらいの感じがちょうどよく、聴いている音楽自体も「流しておいてちょうどいい」ぐらいのものばっかりになっていた気がする(なお、ハイレゾ用のスピーカーは仕事机に設置してある)。大多数の人間の音楽との向き合い方なんて、そんなものなのかもしれないのだが、だとしたらなおさらHomePod買っておけば良いじゃん、って話。音楽が空間に馴染む/広がる製品独特の鳴り方は素晴らしく、たとえば、雨が降ってるときに坂本龍一の『BTTB』とか再生するとグッとくる。雨音と坂本龍一ね〜、ていねいな暮らしでごめんなさいね〜、だれに謝っているのかわからないが、的な感じではあるのだが。

ヘアオイル

こうしてみると黒いモノばっかり買ってる*2のだが*3最後に黒じゃないもの。普段家で仕事をしていて、当然気持ちはオンなんだけど、実際には家=オフなわけ、で、オフなのにオンラインMTGでるために髪の毛をセットするのとかめんどくさくないですか? オフなのに整髪料で髪が固まってたり、ベタついてたりするのって嫌じゃないですか? って思ってたときに、美容室でヘアオイルでスタイリングしてもらって「これ、ちょうど良いじゃん」ってなった。ベタベタしないし、固まりもしない。寝癖直しに頭を濡らしたあと生乾きの状態でヘアオイルを全体的につけて放置しておくと、なんか整っている風になる! しかも、歳をとって髪の毛がパサついてきてる状態も良い感じに見えておじさん嬉しい! 使ってるのはAmazonで適当に買ってる安いやつ(ウェット感強いタイプだと、前髪がメガネに触れたりしてメガネのレンズがめちゃ汚れる)。そうそう、おじさん、よくわからないんだけど、表参道とか歩いてると、Instagramからでてきました、みたいな女子の髪の毛が、これまたInstagramのほうからきました、的に髪をサラつかせてるパターンに出くわすじゃないですか、あれもヘアオイルとかのおかげなんですかね?

現場からは以上です。最後に有料記事設定を貼っておきます。よく見てるブランド古着サイトについてちょろっと書いてますので記事が面白かったら投げ銭感覚でどうぞ。

*1:山口一郎のセンスの問題については絶妙なバランスがあり、なにかに乗っかっているだけ、良い感じのものをパクってるだけ、と批判することもできようし、その乗り方の鋭敏さが素晴らしい、ということもできる。わたし自身は積極的に評価するわけではないが、極端に嫌いなわけではない。が、全然ダメ! という評価も理解できる

*2:今年新しく乗り換えた車も黒だ。汚れと傷が目立ちまくるのだが、まめに車を拭いて綺麗さを保つようにしている

*3:しかも、ここに載せてるもの全部、定番商品ばっかりでなんも面白くないんじゃないか、って気がする

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