sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

東浩紀 『訂正する力』

 

『訂正可能性の哲学』と同時期に出ていたのでそのスピンアウト的な新書、と思っていたのだが、内容はかなり違う。タイトルにある「訂正」という言葉の意味は、こちらのほうがストレートに効いている。原理的な部分はやはり「あれか、これか」的な対立から逃れるnot友敵理論的な話から来ていると感じられる。表面的な一貫性や硬直から逃れ、「変わっているように見えるが、実は変わっていないのだ(むしろ、前の態度よりも今の方が真に迫ったものなのだ)」として柔軟さを持つこと、そのしたたかさが小気味よく思える。