sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

2024年3月20日、あるいは台湾の猥雑さへ

5時過ぎまで寝る。夢にトラウデン直美さまがでてきた。話を聞くと重度のモーオタという設定。タクシーで駅まで行って空港バスに乗る。羽田の第2ターミナル。自動手続きのUIがイマイチで手間取るが、蔦屋書店とスタバのセットはいい。出発前の時間に読みたかった雑誌をあれこれ立ち読み。機内でやることがなくなったので「笑点」をみた。メンバーが変わっているうえに並びまで違っている。

午後に台北に着く。8年ぶりらしい。Hが抽選を当ててくれて台湾元をゲット。ホテルまでタクシーで移動して荷物を部屋に入れて散策。

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豆花を食べる。

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台湾のスイカバーが美味かった(この後、落として機嫌が悪くなる)。

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ブラブラしていたら台湾のメザスタみたいなものを見つけてプレイ。1回150円ぐらい。

あちこちに個人でやってるオシャレなカフェみたいな店がある。年齢別の人口を見てみたら日本よりもヴォリューム・ゾーンが10歳ぐらい若いようだが取り立てて若い国ではない。狭い物件が多いから若い人がチャレンジしやすいのかもしれない。伝統的な食品を扱う店は各所に沢山あり、なんだかわからない。細かいモザイクのなかに若者の個性と古い文化が入り混じっている。乾物屋の隣に高級ブランドの店があったりする。未ジェントリフィケーションの猥雑さ。それが面白くもあるが住むには……いや、日本の秩序だった世界に慣れきっていると……。道路ひとつとっても舗装が荒れていて「この路面では自転車も大変そうだな……」と思う(バイクはめちゃくちゃ多い)。

誤算は思ったほど暖かくない。昼間でも風が吹くと寒いぐらいだった。

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夕飯。頼みすぎた。夜市でゲームをして帰る。いろいろ商品をゲットしていた。

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コンビニでノンアルコールビールを買って部屋で飲む。台湾の食事でビールが飲めないのはかなり悲しいことに思える(お店ではなかなかノンアルコールビールが置いてないみたいだ)。このノンアルコールビールは美味かった。日本でも飲みたい。

ホテルにサウナがついていたので行ってみる。かなり小規模なサウナだったが、ほとんど誰も使っておらず、ほぼ貸切状態だった。1時間弱楽しんだのち、もう一本ノンアルコールビールを飲んで寝る。2本目はハイネケンの。これもなかなか。

丸谷才一 『後鳥羽院』

 

なんの因果で本書を手に取ったのかまったく思い出せないでいるのだが、丸谷才一歌人としての後鳥羽院を語り尽くす、的な一冊。例によって歴史的かなづかい、かつ『日本文学史早わかり』のようにさまざまな文学史的知識を読者がもっていることを前提にした書きぶり、かつ、漢文で書かれた日記について現代語訳がついてない(この部分、雰囲気でしか読めない!)という現代人にはややリーダビリティが厳しめな本ではあり、読んでてめちゃくちゃ眠くなるのだが(毎晩Kindleで寝しなに読んでいたのだがページを1めくりもできずに入眠してしまうことも珍しくなかった)内容はとても面白く、和歌という日本古来の文学形式に対しての興味を掻き立てられる。言葉の音の類似、それから本歌取という引用によって31音というフォーマットのなかで重層的な意味を構築するというその手法は、後鳥羽上皇の命で編まれた『新古今和歌集』の時代に完成された、という著者の見立て、その読み解きぶりの見事さに慄く。その重層性を完璧に翻訳することは不可能だ、としつつ現代語に置き換えた例が一例ある。「あはれなり世をうみ渡る浦人のほのかにともすおきのかがり火」。これが「哀れなイメージだ、まるで阿波の国のやうに人の世に倦み果てながら夜の海を渡るうらさびしい漁師が占ひの者さながらに仄かな焰を、帆と同じみづからの伴侶として船尾に灯すとき、よもすがら起きつづけ生きつづけ浮きつづけ燠火のやうに息しつづけながら、遥かに壱岐を望む隠岐の国の沖の秋の海にもの憂く燃える篝火は」へと引き伸ばされる驚き。この驚きは和歌の門へと誘うには充分な大きさだ。「王朝和歌とモダニズム」という講演をもとにした文章、ここから読むと和歌の古来からの伝統についての案内がなされているので多少読みやすかろう。

 

2024年3月19日、あるいはサイコなヴィラン

4時まで寝る。朝ジム。胸、腕、腹筋。そういえばずっと悩まされていた右肩の前の方の痛みがなくなった。ベンチのフォームがよくなったのか。腰の調子が回復していたので良かった。

帰宅後、シャワーを浴びてAI英会話。ちょっとずつ英語が出てくるようになってきたのではないか。

朝食後に「パウパトロール」の録画を見てたらかなりサイコなヴィランめいたキャラクターがでてくる。新しい展開はアメコミっぽい。

 
 
 
 
 
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仕事前に金継ぎを進める。次は1週間後。プラモデル制作の道具が金継ぎにいろいろと使えることがわかった(塗料をとるスプーンとか)。

今日は一日中自分主体のミーティングがたくさん入っており困憊した。いろいろ良い方向に進むと良いんだが。

寝る前にHに「フル寝るそん」と語り、フルネルソンハーフネルソンを伝授した。

2024年3月18日、あるいは金継ぎ(ひさしぶりに)

4時過ぎまで寝る。朝ジムへ。背中。帰宅して着替えたら、こないだ買ってウエストがパンパン気味だったスリムなタイプのデニムに少し余裕を感じるようになった。脂質制限の効果が出てきているのか(生地が程よく伸びてきているだけの可能性もある)。

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金継ぎ用の道具を引っ張り出してきて、染付の茶碗の蓋の修復を始める。

腰が不穏なのでアイシングをしながら仕事。あまり良くならず。

隙間時間に少し旅行の荷物を準備。温暖なところにいくので薄手のパンツなどをもっていく。出発日が寒そうなのでその温度差を調整するのが面倒だ。こないだ古着で買ったMARKAWAREのウールのパンツなどが便利そうである。

オーガニックウール 2/80 トロピカル / クラシックフィットイージーパンツ, Blackmarkaware.jp

Tシャツもウールのを持っていく。2泊の予定だが着ていったウールTシャツをホテルで洗って3日目に着る作戦。そういうわけで大した荷物がない。

幼稚園のお迎え。水筒を車にぶつけて少し塗装が剥がれる。見えないところだがちょっと心も傷ついた。サッカーで今日は3得点だったとのこと。ドリブルでいっぱい人を抜けるようになったらしい。

Octavia

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ローレル・ヘイローの新譜が良かった。ジャケットに見覚えがあるな、と思ったが、以前にジム・オルークのドローン作品をだしていたレーベルか。贅沢にオーケストラを使った壮大なアンビエント・ドローン。音楽の大きな波(しかない)のような音楽。

2024年3月17日、あるいはスーツがわからない

4時半過ぎまで寝る。朝ジムへ。胸、腕、腹筋。

買い物へ出かける。Hの洋服をたくさん買う。スーツもあれこれ見てみるがよくわからない。来週の土曜日にスーツの採寸予約をとっているが、その前に電話した際の対応が不審だったので、口コミを読んでみたら散々なことが書いてある。憂鬱になってきて、良いものがあれば既製品を買ってしまいたかった。無地のネイビーのスーツが一着あれば、と思うのだけれど、普通のものだけになにを変えば良いのかわからない感じ。

帰宅しておやつ後、ひさびさにサッカーをする。身体が動かない。疲れた。

夕方「ZZ」を観る。第28話。ドライセン、と字幕がでる。はじめてのパターン。

早く風呂に入って「光る君へ」を見て寝た。

Clouds [Import belge]

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最近はTに教えてもらったジジ・マシンが参加しているグループのアルバムばかり聴いている。

『武満徹著作集 4』

文化人類学者、川田順造との書簡集『音・ことば・人間』(1980年)と、大江健三郎との対談集『オペラをつくる』(1990年)を収録。いずれも異分野で活躍する人物との対話の本で、著作集の3巻を読んだときも感じたことだけれど、第一級の知識人と渡り合っている武満の教養の深さに慄く。こういう音楽家は、いま、存在しているんだろうか、とも思うし、昔の知識人の大きさ/豊かさについても考えてしまう(知識人、という存在自体がもはや絶滅した感じがする)。『オペラをつくる』のほうは、なんというかとらえどころがない本で(結局、武満徹はオペラを作り終えることなく亡くなってしまっている)どちらかといえば大江健三郎のほうが自分の創作についてさらけ出している気もする。面白いのは『音・ことば・人間』のほう。ここではときにグローバリズムにおける日本、みたいなことが語られているし、とくに川田が指摘している「日本が「外国」をどう受け止めているのか」みたいな話は、本書刊行から半世紀近くたった今の日本でもまったく変わっていない、と思う。端的にいえば、ヨーロッパ式の学問も、クラシックも「日本の文化」にはなっておらず、営み・生活、というレヴェルに落とし込まれていない「お勉強」にとどまっている、みたいな話。川田は義妹であるピアニストの小川京子との会話を紹介している。ヨーロッパの聴衆と比べて「東京だと、はじめからうまいかまずいか聴きに来られる感じで、それも外国から来演した、あるいはレコードになっている大演奏家の誰彼と比較したりしながら聴かれるので、弾きにくい」のだという。その嫌な感じは、今となってはむしろ強化されている部分があると思う。誰しもが批評的な、というか、レヴュー的な視点をもつ嫌さ。もっと普通に楽しめないのか。

2024年3月16日、あるいは仕事

4時に起きてジムだ、と思ったが、体力優先で二度寝。7時まで寝た。提案書を書く仕事を進めなくてはならず、眠くてイライラしながら進めたくなかった。Hは今日幼稚園の仲良しグループとよみうりランドに行くとかでちょうど良かった。

 
 
 
 
 
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  • KAKUBARHYTHM
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些事をすませてレコードやCDを聴きながら仕事を開始。集中しすぎて午後に予定していた散髪を忘れそうになる。

ジャスティン・ティンバーレイクの新譜が凄まじい名盤。冒頭から内省的な雰囲気があり、カルヴィン・ハリスも召喚してそのまま内省的なディスコにつながっていく。まことに北米のオピオイド時代的な空気が反映されているよう。ただ仄暗いばかりではない。

21時前に提案書を書き上げて送り出す。終わってノンアルコールビールを飲んだ。すげえ美味い。

22時ごろにHが帰ってくる。よみうりランドの話を聞きながら寝た。