本書のタイトル通り、イタリアルネサンスと日本との関わり、とくに人文主義・アリストテレス主義・プラトン主義といった当時の知の営みがどのように日本と関わりあっていたのかを探る。とくに日本を訪れたイエズス会の宣教師たちが、日本の人々を教化する際、「霊魂は不滅であること」や「神」という概念を理解させるために奮闘する様子を面白く読んだ。異文化との出会いと摩擦で(たとえそれが誤解だったとしても)ストーリーとして魅力的なものが生まれることがある。たとえばザビエルが島津家の家紋に、イエズス会以前にも日本にキリスト教が伝来していた証跡を見出そうとした、という学研『ムー』みたいな話に魅力を覚える。