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文化的消費活動の日記

佐々木健一 『美学辞典』

 

美学辞典

美学辞典

 

 先日読んだ『美学への招待』が良い本だったので、ルーマンの『社会の芸術』を読む勉強会に参加した時(たぶん)から「一家に一冊レベルの良い本」とレコメンドされていた『美学辞典』も読む。「辞典」というには、かなりの小著で現物が届いたときには「え、こんなコンパクトな本なの?!」と驚いたが、これもめちゃ良い本。美学の基礎概念、25個、その意味から歴史的背景、著者の考えとを明示的にわけながら解説してくれる教科書。勉強になりまくり。ってか、なんで自分は学生時代にこういう本を読んでいなかったのか(社会学部だから出会いがなかった、というのがアンサーになってしまうのだが)と悲しい気持ちになった。とくに「現代アート」と呼ばれる領域において、美術品の価値がマーケットにおける価格と強靭に結びついて受容されている現代において、ちゃんと美学の手つきを踏まえておく、ってのが、いまの気分、もとい、これからの気分になるはずだ。

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