Apple Musicでハイレゾ音源が配信されるようになって久しいですが、ずっと導入を検討していた機材を買って我が家のスピーカーでもハイレゾ音源が再生できるようになりました。
買ったのはUniversal AudioのArrowというオーディオインターフェイス。録音スタジオのエンジニアをやっている先輩から進められた機材です。Mac/Winどちらでも利用でき、Thunderbolt 3のバスパワーで動いて省スペースの機種です。これを使うと最大192kHz/24bitの音源まで再生できます*1。かなりポピュラーな機材なので、メルカリとかPayPayフリマとかに結構品物がでてます(たまに3万ぐらいで出品されてるものもある)。
この機材をThunderbolt 3ケーブルでMacとつなぎ、あれこれソフトウェアをインストールします。
あとAudio MIDI設定でサンプリングレートを192kHzにあげてください。それからMac側はミュージックアプリでハイレゾロスレス再生をできるようにするのも忘れずに。
ハイレゾロスレス再生されていると、この複数の波が重なってるマークをクリックした際に「いま、ハイレゾロスレスされてますんで」と表示されます。
アンプとの接続はTRSフォンとRCAピンの変換ケーブルを使って繋ぎます。いろいろケーブルはあるんですが、せっかくなんでちょっと良いやつにしました。受注生産の「クラフトケーブル」(という世界があることを知った)だそうです。
肝心の音の方はどうなんだ、って話なんですが、わかりやすく比較するためにSACDで持ってるソフト(SACD再生環境もすでに整っているのにハイレゾロスレスとかやっちゃってるのもどうかと思うんだけども)を試してみようと思ったら、そういうのはハイレゾ配信されてないっぽい。
たとえば、グールドの《ゴルトベルク》(81年)なんかSACDとノーマルCDの音が歴然すぎて衝撃的/感動的なんですが(マジでわかりやすい。SACDだと高音のブリリアントなニュアンスが明確に伝わってくる)、こういうのは配信されてない。残念。そもそも一般的に、SACDのマスターと、ハイレゾ配信のマスターが同じなのか、というのもよくわかってないですが(ファイル・フォーマットは違う。SACDだとDSDのフォーマット)。
じゃあ、なにで試してみようかと考えて「マーラーとかリヒャルト・シュトラウスとか良さそうじゃない?」と思いつき最近(2021年)のベルリン・フィルのマーラーを試してみたんですけど、これはかなりスゴかったですね。音の分離や明確さがまずハッキリと違いとしてでてきて、オーケストラ全体がフォルテシモで演奏される瞬間なんかも全然音が潰れないんですよ。そのせいかいつもより音量を大きくしてもうるさいと感じない。
おそらくハイレゾの特性はオーケストラみたいなダイナミクス・レンジが広く、いろんな音が鳴っているもの、さらには新しい録音でこそ真価が発揮されると思うんですが、いろいろ聴いたなかではマーヴィン・ゲイも面白かった。これも伴奏がハッキリ聴こえる。
あとたまたま聴いたジュリアン・ラージの新しいEPもめちゃくちゃ音に存在感を感じて良かったです。
そんなにお安い訳では無いですが、シンプルな構成にすれば、PCとパワードスピーカーとArrowと各種ケーブルさえあればハイレゾ環境整えられるので良いですよ。