sekibang 3.0

文化的消費活動の日記

『東京大学建築学科 難波研究室 活動全記録』

かつてはてなダイアリーを書いておられた建築家の岩元昌明さんの文章が収録されている、ってんで購入していたもの(Amazonの購入履歴を見たら2015年に購入していた。9年以上寝かしていた……)。2003年〜2010年に東京大学にあった建築家の難波和彦の研究室の業績・活動をアーカイヴした本。研究室に在籍していた当時の学生の論文や、日本を代表する豪華建築家陣による講義録などヴァラエティに富んだ内容となっていて面白い。なかでも難波和彦が建築とエコロジーをめぐる鼎談のなかで自身の設計による自邸が「こんな環境に住み続けたらバカになるんじゃないか」と危機感を抱くぐらい快適だ、そのうえ電気代も安い、と語っているのが気を惹いた。リノベーション、コンバージョン。既存の住宅、というか、全般的なアセットをどう活用しながら、新しいクリエーションをおこなっていくのか、みたいな話が本全体で繰り返し語られている。