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文化的消費活動の日記

『哲学の歴史 第7巻: 理性の劇場【18-19世紀 カントとドイツ観念論】』

以前にドイツの近世哲学について理解を深めたい、と思って買っておいたもの。哲学的なトピックだけでなく観相学や自然哲学、ロマン主義のようなものも取り扱っている。当初の目的であるドイツの近世哲学、とくに観念論と呼ばれるものに対しての理解を深められたか、というと、苦手意識がさらに高まった感じがする。

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この本のほうが学びの実感が大きかった。

本書のなかで特筆すべきなのは責任編集の加藤尚武によるヘーゲルの項だろう。ほかの著者が扱うように思想家のバイオグラフィーの概観を示すことなく、ヘーゲルの著作からいろんなトピックを好き勝手抜き出した感じである。偉い先生が好きに書いちゃっている感じ。これは「哲学の歴史」シリーズのなかでも異色のパートとも言えよう。面白さ・読みやすさはあるのだがどうなんだろうか、こういうのは。